牛肉、酒200億円突破 緑茶も最高更新 18年 農畜産物・加工品輸出

 2018年(1~12月)の国産農畜産物や加工品の輸出額で、主力の牛肉や日本酒が初めて200億円の大台を突破したことが財務省の貿易統計で分かった。緑茶も過去最高を更新。アジアや米国など安定市場で需要を広げた。堅調な輸出ペースを加速させるには、輸出規制の緩和や新興市場の開拓が求められる。

 18年の農林水産物・食品の輸出総額は前年比12%増の9068億円(速報値)。6年連続で過去最高を更新した。その伸びを牛肉や日本酒、緑茶などがけん引した。

 国産牛肉の輸出額は前年比29%増の247億円、輸出量は32%増の3560トンと、共に統計がある1988年以降で過去最高だった。17年9月に輸出が再開した台湾向けが大きく伸びた。金額は41億円、数量は628トンと前年の3倍に達した。東京都内の輸出業者は「多様な部位の食べ方や調理方法が浸透しており、和牛消費が広まりやすい」と話す。

 国・地域別では、カンボジア向けが38%増の56億円、45%増の786トンだった。主に冷凍ロインが輸出されている。前年まで首位だった香港に代わり同国向けが金額と数量で共に首位となった。

 米国向けは10%増の33億円、13%増の421トンだった。4月に低関税枠の200トンを上回った。

 日本酒の輸出額は前年比19%増の222億3200万円で、輸出量は1割増の2万5747キロリットルで共に過去最高だった。大吟醸といった特定の製法や原料基準を満たす高価格帯の「特定名称酒」の輸出が増え、輸出額の伸びが輸出量の増加ペースを上回った。

 国・地域別では、米国への輸出額が最大で、前年比5%増の63億円。次いで、香港(38億円)と中国(36億円)が続き、共に35%増と大きく伸びた。日本酒造組合中央会は「今後は欧州連合(EU)など新規市場の開拓が重要になる」と分析する。

 緑茶は前年比7%増の153億円で、統計の残る1988年以降で過去最高となった。輸出量は同10%増の5102トンで過去最も多く、初めて5000トンの大台に乗った。国・地域別で最も輸出額が多い米国が前年比15%増の68億円と伸びて全体を押し上げた。

 「飲食店のメニューなどで抹茶が定着している」と日本貿易振興機構(ジェトロ)。輸出額1億円以上の17国・地域のうち11で前年を超えた。

 花きは前年比5%減の129億円。国が掲げる19年の輸出総額150億円目標から後退した。輸出の9割を占める植木、盆栽類が5%減(121億円)だったことが響いた。全国花き輸出拡大協議会は「需要に見合う国産品の供給が間に合っていない」と指摘する。切り花は3%増の8億8849万円だった。

 ジェトロは「輸出をさらに伸ばすには、海外市場で動植物の検疫や放射性物質の規制緩和が進むかが焦点となる」と指摘。また、生産者の所得確保に向けて「商品の付加価値化や、中小事業者の参加を促す視点が要る」と強調する。

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