気象データ活用 県域拠点 設置広がる 温暖化や被害対応 農家へ情報提供

 地域ごとのより細かい気象データを蓄積することで、温暖化に対応した品種改良や気象災害などの被害軽減策の取りまとめを目指す「地域気候変動適応センター」の設置が各地で始まった。昨年12月に埼玉県が全国に先駆けて設置し、今年1月に滋賀県でも発足した。今後、長野県や静岡県でも設置が決まっており、取り組みが全国に広がる見通し。同センターは大学や地域の研究機関などと連携して情報収集や分析、適応策をまとめ、JAや農家、企業などに情報提供する。
 
 埼玉県は、同センターの設置で県内各地の気象データを収集、分析したものを一元化する他、4月からインターネット上で公開する予定だ。同県は「農業分野では、水稲の白未熟粒の発生頻度や、予測される収量など、気象データを基に予測情報として提供できるのではないか」と話す。また、高温耐性品種の事例紹介などもしていく考えだ。

 滋賀県では、気象データを生かし、高温に強い水稲「みずかがみ」の作付け拡大を推進していくことに加え、温暖化に一層適応した水稲の品種改良を進める。

 この他、長野県では4月に「信州気候変動適応センター」(仮称)を設置。静岡県でも3月末に「静岡県気候変動適応センター」(仮称)の設置を予定する。同県は「県の研究所などから集めた情報を農業や漁業などの分野ごとに整理し発信していく」とする。

 昨年末に成立した気候変動適応法を受けた取り組み。同法は、地球温暖化による農作物の品質低下や洪水など将来予測される被害の軽減、防止する適応計画を推進するための法律。2018年12月1日に施行した。環境省は各地に同センターの設置を推奨し、高温耐性の農作物品種の開発や普及、ハザードマップ作成などで温暖化への適応を促す。同省が気候変動影響評価を5年ごとに行い、その結果を基に改定を行う。

 県域のセンターが収集した気象データや被害状況などを国立環境研究所(茨城県つくば市)の気候変動適応センターに、を一元化。同研究所は、各分野の研究機関と協力態勢を構築し、各地の県域のセンターに技術指導をする仕組みも整える。

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