長崎のスーパー種雄牛「平茂晴」 精液配布終了へ 駆け込み注文続々

 長崎県のスーパー種雄牛「平茂晴」精液配布終了を前に、駆け込み需要で注文が殺到している。締切は今月末に迫る。2カ月前と比べて6倍の発注が舞い込んだ。「平茂晴」は「長崎和牛」日本一獲得に寄与した牛。最後に確保しようという動きが広がったとみられる。県は「予想以上の反響」と驚く。

 県が飼養した牛で、2002年に基幹種雄牛としてデビューした。近年は優れた後継牛に需要が移り、今年は1カ月の注文が1000本を下回る月も多かった。だが終了が目前の今月は注文が急増。15日時点で2074本に達した。例年、3月は注文が多い傾向にあるが、前年同月と比べても2倍以上のペースだ。

 県内一の繁殖産地、JAながさき西海の畜産部は「古い牛だがやはり名牛。農家からの人気は根強い」と説明する。また、今の県基幹種雄牛は但馬系と気高系が主力であることから、「糸桜系の『平茂晴』精液を手元に残したい農家も多かったのでは」と推測する。

 「平茂晴」はさしの入りやすさを示す脂肪交雑の数値が高く、デビューした02年当時は県内歴代1位、全国4位につけて話題になった。第10回全国和牛能力共進会で名誉賞を獲得した肉牛も「平茂晴」の孫牛。県内の畜産団体が会合で使う資料では「長崎和牛の立役者」と称される。

 死亡した翌年の18年には保留していた県肉用牛改良センターに銅像が立つほど、県民に愛された。同センターは「長崎の畜産基盤を支えてくれた牛。改めて感謝したい」と話す。
 

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