新元号発表まであと10日に迫った

 新元号発表まであと10日に迫った。「大化」から数えて248番目となる。「平成」の“次”は何か▼国立公文書館で30年前に小渕恵三官房長官(当時)が示した「平成」と書かれた色紙を見た。思ったより小さい。文字は優しく細い。新元号は国家の極秘事項で事前に漏れてはならない。1989年1月7日早朝6時33分の昭和天皇崩御から、14時36分の「平成」発表までの約8時間のドキュメンタリーは手に汗を握る▼文字を外注すればマスコミが感づきかねない。そこで役所内部の書家でもある辞令専門官が書く。出来上がってすぐ箱に入れ、紫色の風呂敷に包み官邸に届けた。発表直前、開いた時に書いたばかりの墨の匂いがしたという。まさにレアものだった▼新元号の特ダネは、記者にとり〈スクープ〉という甘美な言葉と重なる。今から107年前の「大正」は朝日の敏腕政治記者・緒方竹虎が抜く。「昭和」は、新元号発表当日に東京日日(現毎日)が「光文」と報じ号外を出す。だが政府発表は「昭和」だった。雪辱に燃える毎日は「平成」をわずかに早く入手する。他紙に先駆け早刷りで伝えたが号外までは決断できなかった▼夢の中で新元号が出ては消える。しきりに浮かぶのは〈永〉〈天〉〈元〉〈光〉〈文〉の五つ。さて、どうなるのか。
 

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