[未来人材] 32歳。転勤族の夫がイチゴで新規就農 “協働”で夫婦円満 萩尾美穂さん 福岡市

今季から園地を引き継ぎ夫と2人で栽培を始めた美穂さん(福岡市で)

 夫の新規就農を機に、萩尾美穂さん(32)は福岡市の志賀島でイチゴの栽培から販売までを手掛けるようになった。それまでは専業主婦。農業は初心者だったが、引退する農家から畑と販路、農業の知恵を譲り受けた。就農後、不規則だった夫の生活は一変。仕事も子育ても夫婦で協力できるようになった。対面販売に必ず試食を用意するなど女性の視点を生かし、経営にも参画する。

 5棟計12アールのハウスに完熟「あまおう」が育つ。今季初めて自力の販売にこぎ着けた。前作は農家に弟子入りし、育て方を学んだ。JAとも相談し、収量が確保できるまでは直売を中心に固定客の獲得を目指す。

 「農業やっていい?」。夫・宗大さん(37)の相談は突然だった。改まった雰囲気はなく、驚いた。佐賀県小城市出身の美穂さん。実家の近所に農家はいたが、農業との関わりは全くなかった。「何も分からな過ぎて反対もできなかった」と当時を振り返る。

 転勤族で結婚後も佐賀、福岡、宮崎と転々とする生活。帰りの遅い夫は娘と過ごす時間がない。「定住する仕事への転職なら」と新規就農を後押しした。

 美穂さんの働き方も変わった。日々の家事に加え、農作業の手伝い、イチゴの販売と大忙し。味に納得しないと購入しない主婦の心理を察知し、対面販売には必ず試食を用意する。互いの良さを経営に生かすことで円満な夫婦関係を築いている。

 家庭菜園で野菜を作り、夫が娘と過ごす時間が増えた。「農業なら働き方に融通が利く」と美穂さん。将来、園地の一部に家族で楽しめるイチゴ狩り農園をつくるのが夢だ。(木原涼子)
 

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