大学生×企業=モノづくり 分野越え発想豊か

ソーラーパネルを設置した畑にブドウの苗木を植える千葉商科大の学生(千葉県市川市で)

デニム生地でデザインした農作業着を披露する東農大生(右)と共立女子大生(東京都千代田区で)

 大学で分野を越えたモノづくりが活発化している。商科大学がソーラーシェアリングでブドウを育ててワイン造りに挑戦したり、農業系大学と女子大が企業と手を携え農作業着を開発したりするなど、学生たちが地域活性化を目指し、力を合わせている。
 

ブドウ育てワインに 千葉商科大 酒造会社


 千葉県市川市の千葉商科大学は、学内で使用する電気を太陽光発電で賄い、農業と分かち合うソーラーシェアリングを1月から稼働させた。学内の一角にソーラーパネルを設置。学長プロジェクトの一環で、パネルの下でブドウを育て、市川市産ワイン造りに挑む。

 パネルの下でのブドウ生産は、大学にとって農業の将来像を探る“実験”。3月に「マスカットベリーA」の苗木6本を定植。土壌調査や農機具など購入にかかった費用の一部は、インターネット上で出資を募るクラウドファンディングで集めた。過疎地域対策や地域コミュニティー構築などを学ぶ人間環境学部の学生らが開墾から担った。

 農作業は初めてという学生が多く、同学部2年の田口さくらさん(19)は「最初は土が硬く、スコップが入らなかった。大きな石を取り除くのが大変だった」と振り返る。

 今後は酒造会社「白百合醸造」(山梨県甲州市)の指導を受けながら、学生が栽培を管理する。5年後には250~300キロの収穫を予定する。ブドウが実るまでは、ブドウ棚の下やソーラーパネル周辺で葉物野菜や芋類などを育てる考えだ。

 プロジェクト学生代表で3年の清水巻さん(21)は「卒業しても、メンバーが顔を合わせられる場にしたい。ワインを飲むことを楽しみにしている」と完成を心待ちにする。原科幸彦学長は「地域コミュニティーの活性化や、エネルギーを循環させる持続可能な社会の在り方を考えるきっかけにしたい」と期待する。
 

農作業着デザイン 東農、共立女子大 ジーンズ販売会社


 東京都世田谷区の東京農業大学と同千代田区の共立女子大学は、日本最古のジーンズ販売会社「豊島」(同区)と、デニム生地の農作業着を開発した。東京農業大学国際食料情報学部の学生が、実習する長野県長和町の農家や、農業実習を行う学生に作業着に求める機能をヒアリングした。調査結果を基に共立女子大家政学部被服学科の学生がデザインし、同社が形にするという連携プレーで完成に至った。

 共立女子大学3年の森下友紀子さん(21)は「同年代のレディース服を主に開発してきた。男女共用なので、かわいくなり過ぎないようシンプルなデザインを心掛けた」と話す。同3年の高橋優希さん(21)は「こんなに大きなポケットは付けたことない。農家がスマホを使って作業することも知らなかった」と驚く。

 同大の宮武恵子教授は「学生は流行ばかり考えているが、今回を機に学びの視野が広がった」と学生の成長を喜ぶ。

 東京農業大学4年の余越柊介さん(24)は「思っていたより農家が作業着にデザイン性を求めていた。農業の“厳しい、きつい、汚い”の3Kのイメージを変えたい」と意気込む。同大の増田敬祐助教は「田舎に興味があり、農家になりたいと思っている若者はいる。都会的なセンスを農業に生かせるようになってほしい」と期待する。 
 

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