健康志向の消費者狙い 機能性表示青果物も 有利販売へ 分析盛ん

特設売り場登場


 食品に含む機能性成分を表示する「機能性表示」が、生鮮青果物で広がっている。産地と連携した機能性成分の分析などが進む他、首都圏のスーパーでは、機能性成分を打ち出した青果物を集めた売り場が登場した。健康志向に対応した付加価値化で売り上げ向上を狙う。(三宅映未)
 
 首都圏でスーパーを展開する東急ストアの食品店「プレッセ目黒店」に3月から、特設コーナーが登場した。タキイ種苗が開発した機能性成分を含む野菜「ファイトリッチ」シリーズで、抗酸化作用のあるリコピンを通常の2倍含むトマト「フルティカ」やアントシアニンが通常の約10倍の水菜「紅法師(べにほうし)」など、常時7、8種類が並ぶ。

 売価は298~580円(税別)と通常より高いが、健康志向の高い60、70代を中心に人気だ。同社の羽生聖賢青果バイヤーは「ひと月で1000点ほど売り上げるペース」と好調ぶりを強調する。

 同様の特設コーナーは都内4店舗で展開する。有機農産物などの売れ行きが良く、健康に関心の高い層が多いエリアに集中させた。生産者名や写真の載ったPOP(店内広告)を売り場に設け、消費者が手に取りやすいよう工夫する。

 タキイ種苗の「ファイトリッチ」シリーズは現在20種類。東京都内で小売店にコーナーを常設しての販売は初だ。同社は「栽培の手間は通常品種と大きく変わらない。有利販売で生産者の拡大につなげたい」と話す。

 産地では特産物の機能性分析が進む。青森県のJAつがる弘前は、弘前大学や農研機構と連携し、リンゴに含むポリフェノールの一種で、内臓脂肪を減らす作用の「プロシアニジン」が有袋リンゴ「ふじ」に多く含むことを確認した。28玉級以上の大玉を「プライムアップル!(ふじ)」と銘打ち、2018年に機能性表示食品として登録した。

 東京、大阪の果実専門店やスーパーで販売する。初年度の17年産(17年9月~18年8月)は670ケース(1ケース10キロ入り)を出荷。売価は「通常より1玉当たり3割ほど高い」という。

 「ふじ」の有袋は数量確保に課題があるため、ブランド拡大に向け今年3月に「王林」も登録した。JA指導課の廣田寛央課長は「健康志向の強いアジア圏の輸出も視野に入ってくる」と期待する。

 長野県は、18年度に県育成のブドウ「ナガノパープル」の機能性データの分析を実施。同品種は昨年4月に県外生産を解禁した。機能性をPRする取り組みの強化で「他県と差別化できる」(県園芸畜産課)と狙いを打ち明ける。

 消費者庁によると、22日時点で機能性表示食品として登録された生鮮青果物(もやし、輸入品を除く)は16品。18年3月にガイドラインを改正し、提出書類を簡素化した。農研機構も届け出に必要な機能性や安全性に関する論文を基にした研究レビュー(届出様式の作成例)を公開し、産地の取り組みを後押ししている。

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