[あんぐる] 海原1000キロ 牛乳配達 大型貨物船「ほくれん丸」

今年の春に就航した真新しいほくれん丸。道産の生乳などを載せて、毎日午後2時に日立港に到着する(日立市で)

 ホクレンが運航する大型貨物船「ほくれん丸」が、北海道産の生乳などを関東圏に運ぶ“海の動脈”として活躍している。釧路港と茨城県の日立港間を片道約20時間で結び、連日2隻で交互にピストン輸送する。春には積載量を増やした新たな船がデビューした。

 4月と5月に相次いで就航した船は、共に全長173メートル、幅27メートル。貨物室には、長さ12メートルのトレーラーを従来の船より2割多い160台積める。約17トンの生乳が入った「ミルクタンク」などを載せたトレーラーを積み降ろしする。

 運ぶ生乳は、主に釧路周辺の酪農家が搾ったものだ。ほとんどが標茶町の「釧路クーラーステーション」に集まり、約2度に冷やして釧路港に向かう。
 
貨物室に積み込まれたミルクタンク。最盛期には60基ほどのタンクを積む(北海道釧路市で)

 「早ければ朝に搾った生乳が翌日には関東に届く」。ホクレン釧路支所酪農課の太田忍さん(36)は、こう胸を張る。

 釧路港に、ほくれん丸が着くのは、毎日午後2時。その後、トレーラーを積み込んで午後6時に出航し、夜を徹して太平洋を約1000キロ進んで翌日の午後2時に日立港に着く。生乳は、ここから陸路で関東の生乳工場に届ける。

 ほくれん丸の計画が立ち上がったのは1991年。需要に応えるため、道産生乳の円滑な運搬に役立てようと、ホクレンが建造を計画した。93年に船主の川崎近海汽船がホクレンの荷物を預かる形で就航し、現在も同じ方法で運航する。

 国内の生乳生産量に占める道産の割合は増え、現在5割を超えた。これに伴い、ほくれん丸も大型化した。より積載量が多い船に交代するのは、2006年に続いて今回が2度目となる。

 ホクレン釧路支所物流課の槻木孝則さん(33)は「従来の船では、給食向けの出荷量が増える9月などに積み切れない場合もあった。新しい船で生乳の安定供給を支えたい」と力を込める。(富永健太郎)

「あんぐる」の写真(全6枚)は日本農業新聞の紙面とデータベースでご覧になれます。

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