夜のとばりが降りると水を張った田んぼはカエルの声でにぎわう

 夜のとばりが降りると水を張った田んぼはカエルの声でにぎわう。ついこの間まで静まり返っていた田が一変し、命の営みが始まった▼農家が心血を注いで作り上げた水路は“生命維持装置”である。全国に張り巡らされ、地球10周分にもなる。人体の毛細血管のように隅々まで水と栄養を運び、瑞穂(みずほ)の国を潤す。水を得た多くの生き物が一斉に活動を始める▼水田と水路には、日本固有種を含む5700種近い野生生物が生息するとされる。湿地保全を目指すラムサール条約で保全すべき水環境とされたが、人が減った中山間地域の水田は荒れ、水路の老朽化も進む。アジアモンスーンにある島国の生態系が脅かされる▼世界では100万もの動植物の種が絶滅の危機に直面していると先日、国連の科学者組織が報告書で明らかにした。地球上に住む生き物の8分の1に及ぶ。数もさることながら速さにも驚く。過去1000万年の平均に比べ数十倍から数百倍ものスピードだという。主犯は増え続ける人間である。食糧やエネルギーを得ようと環境破壊が続く。早く経済優先からかじを切れと忠告するが、アベノミクスにすがる安倍総理に届いただろうか▼自然と共存する家族農業が地球の命を救う。水田は大切にしたい。日本のため、そして人類のため。

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