水源の森 酒蔵が守る 新潟市の5社 土改材を散布

ドローンによる防除作業を見守る酒蔵の関係者(新潟県弥彦村で)

 松枯れから酒造りに欠かせない伏流水を守ろう──。こんなプロジェクトを新潟市西蒲区の酒蔵5社が始めた。7月下旬には、ドローン(小型無人飛行機)を使って松枯れ病防除の土壌改良材をピンポイントで散布。散布は酒蔵の関係者の他、技術面でサポートするJA越後中央の職員らが見守り、愛知県の農業法人が散布作業を請け負った。「20年来の構想がスタートした。健全な環境下でうまい酒造りを継続していきたい」と、参加者は防除効果に期待した。

 同区、弥彦村の弥彦山、角田山には20年ほど前から松枯れが発生し、自然環境保全への声が高まっていた。一帯の伏流水を使う酒蔵5社は危機感を募らせ、対策を検討してきたが決め手に欠けていた。

 酒蔵同様に松枯れに心を痛めていたJAの鈴木光英弥彦営農センター長が、土壌改良材で松枯れを食い止めることを発案し、両者は意気投合した。

 酒蔵5社は売り上げの一部を防除費用に充てるプロジェクトを立ち上げた。資金10万円を確保し、今回の防除に至った。

 水田の航空防除で来県していた愛知県の農業法人外山ファームがドローンで作業。1飛行当たり8キロの土壌改良材を松枯れした木や、葉に症状が出始めた木に散布した。鈴木センター長は「約1ヘクタールに散布した。土壌微生物が木の免疫力を高める。松枯れが止まることを祈りたい」と、作業を見守った。

 プロジェクトに参加する笹祝酒造の笹口亮介社長は「効果の確認をしながら長い目で環境保全に取り組む。活動の第一歩が踏み出せたことで、100年先の酒造りの目標ができた。酒蔵だけでなく地域全体に活動の輪を広げていきたい」と話した。募金、防除は今後も継続していくという。
 

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