日米協定で衆参農水委 国内対策巡り論戦 野党 中小農家の支援訴え

 衆参両院の農林水産委員会は12日、日米貿易協定の国内対策などを巡り、政府と野党が論戦を繰り広げた。野党側は中小規模や家族経営の底上げにつながる対策を要求。江藤拓農相は「思い切ったことをやる」と述べたが、具体的な内容には踏み込まなかった。野党からは、米国との再交渉で、今回除外となった米を含め農産品が対象となることを危惧する意見も出たが、政府は「農産品は想定していない」と従来の答弁に終始した。

 衆院では、国民民主党の後藤祐一氏が「品目別の対策を充実させるべきだ。中小向けの対策を」と訴えた。江藤農相は畜産を例に、「あと10~20頭増頭すると経営基盤が安定するような人を支援できないか」と提起した。中山間地対策を重視する考えも重ねて強調した。

 酪農の国内対策の方向性として、立憲民主党の佐々木隆博副代表は「大型化を目指すのも限界がある」と指摘。政策の抜本的な見直しを迫った。

 江藤農相は、受精卵を移植し、黒毛和種を産ませるなどして収入の支えになっていることを踏まえ「支援を厚くしたい」と強調した。担い手確保に向けて、離農者からの継承なども重視するとした。

 参院では共産党の紙智子氏が、日米協定に、農産品について将来の交渉で米国が「特恵的な待遇を追求する」との規定があることを問題視。「米の輸入枠を求めてきたら拒否する理屈はあるか」と指摘した。

 政府は「今後の交渉内容は、これからの協議で決まる」(内閣官房)と説明。関税分野は自動車・同部品を想定し、それ以外は農産品を含め想定していないとする従来の答弁にとどまった。

 江藤農相はまた、7日の参院同委員会で、日米協定の内容を「いい所に収まった」と発言したことを「非常に不適切だった」と釈明。発言の背景として、環太平洋連携協定(TPP)合意時に「無傷では済まないが国内対策をしっかりやれば、かえって強くなる」と訴えていたことなどを説明した。国民民主党の徳永エリ氏への答弁。

 ブラジルなど南米4カ国でつくる南米南部共同市場(メルコスール)との経済連携協定(EPA)交渉について、江藤農相は「知らない所で勝手にやることは厳に慎んでもらいたい」と外務省をけん制した。衆院の後藤氏への答弁。
 

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