日米協定で牛肉急増 前年1月比 発効10日、5割強に

 日米貿易協定が発効した米国からの2020年1月上旬(1~10日)の牛肉輸入量が、前年1月の1カ月分の5割強に相当する9533トンだったことが20日、財務省のまとめで分かった。関税削減で輸入業者らが調達に動いたことが影響したとみられる。「協定2年目で関税がさらに下がる4月も輸入量は増える」(大手食肉業者)との声もあり、今後、国内生産や価格への影響を注視する必要がありそうだ。

 同協定の発効を受け、同省が旬ごとの輸入量を公表した。1月上旬の輸入量は、19年1月の1カ月分(1万7547トン)の54%で関税削減のタイミングで増えた。速報値のため、冷凍・冷蔵の内訳は分かっていないが、「年末に通関保留をかけていた分が入ってきた影響が大きい」(大手食肉業者)とみる。

 協定発効で、牛肉の関税率は38・5%から26・6%に削減。2年目水準となる4月以降は25・8%に引き下げられる。

 関税削減による同国産牛肉の攻勢は、スーパーの売り場でも既に強まっている。イオンリテールは9日から、同国産牛肉の一部商品で販売価格を値下げし、24日からは3日間限定で、牛肉などの還元セールを予定。イトーヨーカ堂も今月、同様のセールをした。

 大手スーパーの輸入牛肉担当バイヤーは「協定発効で米国とオーストラリアが同じ土俵に立った。今後は品質や為替の変動を見ながら選択していく」と指摘。環太平洋連携協定(TPP)参加国などとのシェア争いが激化しそうだ。

 1月上旬の輸入量は米国が増えた一方、TPP参加国からは、発効のタイミングで輸入が急増した前年同期比で17%減の8308トンだった。政府試算では、国内対策で農業所得や生産量は維持されるとしているが、「肥育農家にとって日米貿易協定の発効はマイナスの要素が大きい」(産地関係者)との声が上がるなど懸念が広がっている。

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