佐藤さん(元首相)の人事というのは、自分にシッポをふるヤツを上げていった

「佐藤さん(元首相)の人事というのは、自分にシッポをふるヤツを上げていった。ボクのは、『国のため』でモトが全然違います」。元通産省事務次官の佐橋滋氏が語った人事の肝である▼佐橋氏は小説『官僚たちの夏』の主人公のモデルで、大臣にも直言し天下りもしなかった。佐藤元首相を大叔父に持つのが安倍首相。その内閣が決めた東京高検検事長の定年延長が物議を醸す。検察庁法は検事総長以外の検察官の定年を63歳と規定し、野党は違法・脱法と追及。首相は法解釈を変え押し切る考えとみえる。同検事長は政権に近く、次の検事総長に就けるのが狙いとの見方も▼定年延長で思い出すのは塩飽二郎氏。農業交渉を担う農水審議官だった1993年3月、ウルグアイラウンドの最中に定年時期を迎え国家公務員法に基づき延長になった。「国益を損なわないで交渉するため」と当時の田名部農相▼安倍政権で省庁の幹部人事を首相官邸が握ったが、“忖度(そんたく)行政”の弊害も。重工業局次長の時に佐橋氏は、通産相が社長を務める製缶会社の競争相手をつくろうとしたが次官が反対。「(駄目なら)首を切れ」と言って認めさせた(出典はいずれも佐高信『「官僚たちの夏」の佐橋滋』七つ森書館)▼官邸主導の中で官僚の誇りが試されている。
 

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは