中国産輸入減も市場潤沢 国産野菜なお低調

 新型コロナウイルスのまん延で、中国産野菜の輸入量が激減する中、期待される国産野菜の相場回復が進んでいない。一部の外食や加工業者で中国産から切り替える動きもあるが、国産が豊作基調な上、輸入物の在庫があり、不足感がないためだ。問題が長期化すれば状況が変わる可能性が高く、産地や市場関係者らは価格動向を注視する。

 国産野菜は暖冬で生育が進み、潤沢感から相場低迷が続く品目が多い。18日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)を見ると、国産タマネギは1キロ61円、キャベツは同58円でともに平年比4割安と低迷が続く。

 そんな中、中国産野菜の輸入量は2月第2週から急ブレーキがかかり、タマネギは前年同期比で9割減った。その時期の東京都中央卸売市場の中国産価格は1キロ103円で国産価格を上回った。

 国産への切り替えが期待されるが「実際はまだ一部で、国産相場に影響を与えるほどではない」(産地関係者)という。今年は春節をにらみ、「業者が早めに中国産を手当てしていたため、国内に輸入野菜の在庫が残っている」(同)。また、国産タマネギの皮むき加工体制が不十分で、急な供給拡大には対応が難しい課題もある。

 中国では一部の野菜加工工場が操業を再開し、輸入量が戻る観測もあるが、中国政府が移動制限など強い措置を講じれば輸入減は一層強まる。国内業者は産地の切り替えの判断をできずにいる。

 問題が長期化すれば、国産相場への影響が予想される。東日本のJA経済連は「キャベツは3月以降、産地は春系に切り替わる。前進出荷の反動で不足する可能性もある」と輸入量や国産価格の動向を注視している。

 江藤拓農相は18日の閣議後会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国産野菜の輸入停滞を巡り「長期化すると価格にも混乱が生じる」との認識を示した。日本に在庫があり現時点で「それほど大きな混乱はない」としつつ、今後の状況を注視するとした。

 江藤農相はタマネギなどは中国からの輸入が多いとし、中食向け・加工用で「若干、不安の声が出ている」と述べた。現地で皮むき処理などをして輸入する例が多いタマネギは、日本産に代替するとしても処理が不十分という声が伝わってきているとした。事態が長期化した場合、「国内の供給体制も含め、しっかり見ていかないと価格的にも混乱が生じる。注視していきたい」と述べた。
   

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