今夜は壮大なこの句がふさわしい

 今夜は壮大なこの句がふさわしい。〈荒海や佐渡によこたふ天河(あまのがわ)〉芭蕉。七夕に詠む▼きょうは二十四節気「小暑(しょうしょ)」や天の川と絡む「川の日」でもある。縁起の良い7が二つの7月7日は特別な思いとなる。芭蕉でさえ前日にも〈文月や六日も常の夜には似ず〉。あすの七夕を思うと、いつにない不思議な気分の夜だと。俳人・宮坂静生さんは『俳句必携 1000句を楽しむ』(平凡社)で「本番より前の昂(たか)ぶり、そこに情緒がある」と読み解く。日本最古の歌集「万葉集」で七夕関連は130を超す。どれも人恋しの艶やかな味わいがある▼思い出すのはドリカムの「7月7日、晴れ」。吉田美和さんの歌唱力が光る。〈あいたくて あいたくて あえなくて…〉〈数を増やす星 今夜かなえたい願いはたったひとつ〉。ロマンあふれる輝く星を見たい▼宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』は七夕伝説とも重なる。ジョバンニ、カンパネルラらが旅する不思議な列車は天の川を進む。雨雲が覆うが目を凝らせば銀河鉄道が見えないか。想像を膨らませささ竹に短冊で願い事を書く。竹に思いを託し天に届ける風習は今も続く▼東京都知事選を経てコロナ政局へ。続く記録的豪雨に懸念も募る。先の曲に絡め願いは一つ。「今こそ厄災払拭(ふっしょく)の政治を」と。

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは