稲 草丈の謎解明 促進・抑制に遺伝子 名大など 飼料作物増収へ応用も

 名古屋大学などの研究グループは、50年前に日本人研究者が存在を“予言”していた、稲の茎の伸びを促進・抑制する遺伝子を突き止めた。大麦など他のイネ科作物でも草丈を抑えたり、背の高い高収量の飼料作物を作ったりできる可能性がある。論文は16日午前0時(日本時間)に、世界的に権威がある英国の科学雑誌「ネイチャー」オンライン版に掲載される。

 岡山大学と横浜市立大学、国立遺伝学研究所、理化学研究所、農研機構との共同研究。伸びを促すアクセルの役割を果たす遺伝子「ACE1」と、ブレーキ役の遺伝子「DEC1」が関係することを発見した。

 ジャポニカ種は生育初期に伸びを促す遺伝子が壊れていることを発見。名古屋大学の芦苅基行教授は「倒伏防止へ草丈が長くならないように選抜されていたのではないか」とみる。

 草丈が5、6メートルにもなる東南アジアの浮き稲では洪水で水位が上がった場合に、両遺伝子の発現量を調節して茎の伸長を促して生き残ろうとしていると結論付けた。

 50年前に「植物が植物ホルモンのジベレリンに反応するには何らかの要因がある」とされていた。研究チームはその要因が遺伝子にあるとみて、500系統を超えるジャポニカ種と浮き稲を分析し、遺伝子を特定した。

 ジベレリンは植物の茎や葉を伸ばすことが常識とされている。しかし、生育初期のジャポニカ種は葉だけしか伸びなかったため、違いに気付いた。芦苅教授は「ジベレリンについては最前線で研究してきたが、教科書に載っていることが全てではないと思い知った」と振り返る。

 大麦やサトウキビなどイネ科作物にこれらの遺伝子を導入したところ、同様の結果が見られた。芦苅教授は「高収量の飼料作物の開発や、イネ科作物の草丈を調整する技術の確立などが期待できる」と強調する。
 

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