トラクター事故を分析 最多は作業機交換時 優先的に安全対策を 日本農村医学会

事故が多い、トラクターと作業機の接続部分(写真と事故事例は無関係)

 トラクターのどんな作業時に事故が起きているか、日本農村医学会は初めて、作業様態別に事故を分析した。JA共済事業の事故状況報告を集計。作業機関連がトラクター事故の39・1%を占めていたことが分かった。事故が多い作業機はロータリー、箇所はユニバーサルジョイント、けがの種類は挟まれることだった。調査をまとめたJA富山厚生連の大浦栄次アドバイザーは、作業機の取り付けなど、事故が集中する作業に優先的に安全対策を施すよう促している。

 同学会ではトラクターを使った農作業を、A=表、以下同=のように分類。最も多かったのが作業機関連だった。農作業前の交換、作業中に不具合が起きた時の点検、作業後の整備などだ。農作業中の斜面での転倒や道路走行中の転落事故よりはるかに多かった。

 

 作業機関連の事故をさらに細かく分析すると、農作業前に事故が多く、主に交換作業で事故が起きていた(B、C)。作業前は225件あり、トラクター事故全体の2割以上を占める。取り付け時に多かった(D1)。

 交換作業で事故の多い作業機はロータリー。次に、事故状況報告では単に「作業機」としか書かれていない事故が27件で続く。この中にもロータリーが含まれている可能性がある。「刃」「部品」の交換も多かった(D2)。

 機械の箇所別では圧倒的にユニバーサルジョイントで、2位のトップリンクの8・5倍になる(D3)。けがの種類は「挟む」が最も多く「落下」が続く(D4)。

 作業機関連で事故が多いことについて大浦アドバイザーは「作業機交換は手順通りにしないと無理な体勢で力をかけることになり、事故を誘発する」と指摘。「作業機取り替えについて正式な研修が実施されているケースは極めて少ない」と危機感を示している。

 事故分析の基になっているのは、JA共済事業の生命・傷害共済で共済金の申請時に出される事故状況報告。2010~17年の報告の中から農作業事故2万628件を抽出し、1043件をトラクターによる事故と確定した。

おすすめ記事

営農の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは