[福井・JA福井県移動編集局] 大規模ハウス整備加速 リース制で省コスト 園芸拡大急ぐ

JAから借り受けたハウスでイチゴの生育を確認する池田さん(左)とJA職員(福井県坂井市で)

 JA福井県は県と連携し、大規模園芸ハウスの整備を加速させる。冬場の日照時間が短くても、安定的に通年出荷ができる環境制御型ハウスを新規就農者らに貸し出す。2015年度からこれまで5カ所整備したが、20年度から3年間で新たに6カ所以上設ける。主力の米の需要が低迷する中、担い手を呼び込んで園芸の生産拡大を急ぐ。

 雪が多い福井県は日射量が少なく、冬場の出荷量や出荷品目数の落ち込みが課題だ。園芸で安定的な収入を得るには、温湿度などを制御する環境制御設備やまとまった規模が必要だが、高価で新たに取り組むにはハードルが高い。JAは園芸振興の一環として大規模で通年出荷に取り組む生産者を育てようと、県と連携し貸し出しを始めた。

 JAがハウスを設置して、担い手に貸し出す仕組みを取る。生産者がJAにリース料を支払いながら利用することで、初期投資を抑えられる。契約期間が終われば、生産者が買い取ることもできる。施設整備には国、県、市町が7、8割を補助。周年栽培に取り組み、年間販売額3000万円以上などを目指す経営体が対象となる。

 設置するハウスは、ほとんどが50アール以上と規模が大きい。ハウス内の温度などを自動制御するシステムを備え、安定的な通年出荷や収入確保につなげる。大玉トマトやイチゴなど、品目は地域に合わせて選ぶ。

 JAでは20年度から3カ年の事業計画で、年度ごと2経営体以上に大型園芸ハウスを貸し出す目標を掲げる。JA本店園芸販売課の高橋佳弘課長は「冬場に出せる品目が極端に少なく、安定は必須の課題だ。JAがリスクを取ることで担い手を育て、園芸振興につなげたい」と意気込む。

 ハウスを借り受けた坂井市の池田天瑠さん(25)は、兵庫県から移住して新規就農した。3棟28アールのハウスと育苗用ハウス4棟10アールで、20年2月からイチゴを栽培。池田さんは「県外や農家以外の出身者は土地を見つけづらい。事業でハウスを用意してもらえるのはありがたい」と話す。

 今年は10アール当たり収量5トンが目標。今後、イチゴ狩り体験の提供や規模拡大などにも取り組みたい考えだ。

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