21年農畜産物トレンド 1位は「コロナ対応」 「ネット取引」も急上昇
2021年01月05日
日本農業新聞がまとめた農畜産物トレンド調査で2021年の販売キーワードを流通業者に聞いたところ、「新型コロナ(ウイルス下の)対応」が1位となった。「ネット取引・宅配」も急上昇して存在感を示す。堅調な家庭消費は続く見通しで、輸入から国産へ回帰する動きも見られた。
21年のキーワード(複数回答)は今回新たに加えた「新型コロナ対応」が48%で最多だった。……
21年のキーワード(複数回答)は今回新たに加えた「新型コロナ対応」が48%で最多だった。……
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食料安保など重点に 中国の全人代が開幕
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)は5日、北京で開幕された。2021年からの14次5カ年計画に加え、35年までの長期目標も議論し、食料安全保障などを柱に政策を定める見通しだ。食料安全保障では、種子と耕地が重要と強調。種子の遺伝資源の保護や優良品種の選抜、普及を強化し、農家支援も拡大する。……
2021年03月06日

エゴマに高抗酸化力 そば粉、玄米、黒大豆も 富山県食品研34品目を調査
富山県農林水産総合技術センター食品研究所は「県内産農産物の抗酸化力評価」をまとめ、3日の研究発表会で説明した。調査した県産34品目の中で「生のエゴマの葉」が最も高い数値が出た。実際には調理して食べることを想定し、品目ごとに加熱や保存した場合の抗酸化力の変化も示しており、県産の販売促進や消費者の利用拡大に役立てる。
体を酸化させる活性酸素は、さまざまな病気の発症に関係しているとされる。「抗酸化力」が人体にもたらす効果は研究途上だが、活性酸素の害を防ぐ役割が期待されている。健康志向の高まりを受けて食品研究所は、2012~19年度にわたり、県内の農産物や加工品34品目の抗酸化力を、ORAC法と呼ばれる測定方法で分析した。
ORACは「活性酸素吸収能力」と訳される指標。ポリフェノールやビタミンCなど水溶性抗酸化物質が関係する数値と、ビタミンEなど脂溶性抗酸化物質が関係する数値をそれぞれ測定して合算し、抗酸化力を評価した。34品目のうち、生のエゴマの葉は119と格段に高い数値が測定された。エゴマはシソ科の一年草で、富山市が特産として力を入れている。えごま油も53と高い。
他に高い値が出たのは、そば粉(品種は「信濃1号」)の90、玄米(「富山赤78号」)81、乾燥した黒大豆(「丹波黒」)77、ユズ果皮70、バタバタ茶葉69、生のブルーベリー57など。米みそは4社で調べたところ45~51と比較的高かった。
詳細は食品研究所のホームページで公開し、加熱や保存による抗酸化力の変化も紹介している。発表会場でも関心は高く、「食べるときの分量を考慮するのも大事ではないか」などと質問や意見が相次いだ。
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2021年03月04日
コロナのストレス 心の状態把握し対策を
農家「飲食店の休業で農産物の売り先がなくなった」、JA職員「組合員宅への訪問活動が困難になった」──。新型コロナウイルスの流行で、感染への不安はもとより、さまざまなストレスが降りかかっている。あなたと家族の心の健康を守るため、ストレスの状況を把握し対処する方法を身に付けたい。
筑波大学の研究チームが、新型コロナの感染拡大がメンタルヘルスに与える影響を調査。回答があった約7000人のうち8割がストレスを感じていた。研究代表者によると、平時にストレスを抱える人は5割ほどのため「結構高い」という。
新型コロナの流行の長期化は、生活不安による配偶者への暴力や虐待などに加え、子どものうつ症状も深刻化させている。心の状態に関する国立成育医療研究センターの調査では、高校生の3割、中学生の2割に中等度以上のうつ症状が見られた。自由記述では「コロナになって悪口を言われたり差別されたりしている人がいる」「コロナに縛られて自由がない」といった声が相次いだ。
文部科学省によると、2020年に自殺した小中高生は479人で、前年の339人から大幅に増え、過去最多になった。特に女子高生が138人で2倍になった。同省は新型コロナが影響しているとみている。
労働安全衛生法で、労働者が50人以上の事業場には年1回のストレスチェックが義務付けられており、JA職員をはじめ多くの雇用者が受けている。しかしその家族や農家の世帯員など誰もが心の状態を知っておくことが大切だ。
注目したいのが自治体がホームページに公開している「こころの体温計」である。対人関係や家庭環境といった状況に応じたストレスの強弱を簡単に把握できる。また、本人だけでなく、子どもを含めて家族の状態も調べられる。
ストレスの強弱を把握した後はどう対処するか。JA愛知厚生連海南病院がホームページ上に公開している「コロナストレスに負けないための対処法」が参考になる。精神医学や心理学で効果が検証されている100の対処法をまとめている。日々の心構えや効果的な呼吸法、運動の方法などを細かく具体的に提案。怒りとの付き合い方も盛り込んでいる。ストレスがかかっているときに涙を流してリラックスする方法や、医療現場で効果が確認されたストレス解消法としてぬるめの湯で手を温めることなども紹介している。
ストレスを減らし心の健康を守りたい。農村は緑が豊かだ。ハイキングや山歩きなど頻繁に森林を散策する人ほどストレスに対処する力があるという、筑波大学などの研究グループの報告もある。フランスでは屋上などで野菜や果実を栽培し、自然に触れて癒やされる都市農園に注目が集まる。自分に合ったストレスの発散・解消方法を見つけ、コロナ禍を乗り切りたい。
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2021年03月07日

[震災10年 復興の先へ] 「戻らない」5割 避難先での生活定着 復興庁など 福島県4町住民意向調査
東京電力福島第1原子力発電所事故の影響を受ける双葉、大熊、富岡、浪江4町の住民のうち、避難先から「戻らない」と考える人が5割を占めることが復興庁などの2020年度調査で分かった。19年度と比べて4町とも帰還した住民は増えているが、戻らない人の割合の方が依然高い。既に避難先での生活が定着し、帰還しにくい人が多いことが背景にある。
「戻らない」の割合を町別にみると、双葉町が62・1%、大熊町が59・5%、富岡町が48・9%、浪江町が54・5%。いずれも19年度調査とほぼ同じ水準のまま変わっていない。
帰還しない理由は、富岡町では「既に生活基盤ができている」が最多の60・1%。大熊、浪江各町も同様に最多だった。双葉町も「避難先で自宅を購入し、今後も住む予定」がトップだった。避難生活が長期化する中、仕事が定着したり、友人が増えたりしたことで、元の町に戻るのを見合わせるケースは多い。
一方、4町とも帰還するかどうか「まだ判断がつかない」が2割程度いた。帰還を判断するのに必要な条件として多く挙がったのが医療・介護施設の確保。「医療・介護の復旧時期のめど」が最多の56・8%だった浪江町を含め、各町とも同様の回答がトップだった。
避難指示が一部解除された大熊、富岡、浪江各町は、いずれも10%未満ながら「戻っている」との回答があった。最も高かったのは富岡町の9・2%で、前年度から1・7ポイント増えた。各町とも19年度を上回った。
帰還を決めた理由は「(帰還先の)生活は気持ちが安らぐ」が多く、浪江町は68・8%、富岡町は52・4%だった。大熊町は「役場機能が再開した」が最多の43・5%。故郷を思う気持ちに加えて、行政機関が機能していることが帰還の動機になっている。
今回の調査は4町に加えて、川俣町山木屋地区も対象。「戻っている」との回答は37・8%で、19年度調査と同様に一定数が帰還している。避難指示区域が解除されていることも影響しているとみられる。
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2021年03月03日
あかりをつけましょぼんぼりに
〈あかりをつけましょぼんぼりに お花をあげましょ桃の花〉。サトウハチローさんが作詞した童謡「うれしいひなまつり」を口ずさむ▼きょうは、桃の節句。ひな人形を飾って、女の子の健やかな成長を祈る。源流が中国の「みそぎ払い」にあるこの行事は、江戸時代から豪華なひな飾りが登場した。首都圏1都3県ではコロナ禍の緊急事態宣言が続き、家族だけでひっそりと祝う家庭も多かろう▼先の歌詞に登場する、「ぼんぼり」に当てる漢字は「雪洞」。雪のうろから漏れる淡い燭光(しょっこう)には、「優しさ」がある。そして、桃には、古来、「厄よけ」「不老長寿」の意味が込められた。いずれも、いとおしい娘に寄せる親心に通じる▼心浮き立つ祭りでも、若手俳人神野紗希さんの“解説”に、心が痛む。「女として生まれ、社会や家庭のしがらみの中で、目鼻を塞(ふさ)がれるように箱に押し込められ、それに逆らうことを知らなかった女たちの人生を、この雛(ひな)たちは暗喩的に代表している」(『女の俳句』)。童謡の短調で暗いメロディーからは、「しみじみと淡いかなしみが立ち込めてくる」▼差別など無い社会でこその、祭りであろう。女性蔑視発言が飛び出し、男女平等ランキングが世界121位では、白酒のお相伴にあずかるのも気が引ける。
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2021年03月03日
経済の新着記事

カラー主産3県が合同展示 ホワイトデーへPR
千葉、愛知、熊本の3県と花き卸の大田花き、フラワーオークションジャパンは8日からカラーの合同販促を始めた。14日のホワイトデーに向け、JAグループのカラーを東京都中央卸売市場大田市場のせり場前に展示。訪れる買参人に向け品ぞろえと品質の良さをアピールする。12日まで。
出荷最盛期に向けた主産3県の合同展示は今年で12年目。「ウェディングマーチ」といった白の定番や県オリジナル品種など、湿地性のカラー約150本を並べる。婚礼での使用率が高いカラーの新たな販路を開拓しようと、純白のイメージを前面に押し出し、ホワイトデーの贈り物としてPRする。
今年も新型コロナウイルス下で婚礼件数が減り、上位等級の価格がつきづらい状況が続く。農水省の「花いっぱいプロジェクト」に賛同し、同省の建物内でカラーを使った装飾を実施するなど、需要開拓に努めている。
熊本県では、今年のカラーの作付けは昨年比微減。花しみなどが少なく、等級も満遍なくそろった。新型コロナ下の消費変化に合わせ、家庭で気軽にカラーを飾ってもらえるようPR動画を作成して販促に生かす。
3県の代表を努めるJA熊本経済連は「カラーの花言葉は『華麗なる美』。男性から女性への贈り物として最適なので、ぜひホワイトデーの贈答に活用してほしい」と勧める。
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2021年03月09日
豪産牛肉の輸出相手国 日本抜き中国1位に
オーストラリアの牛肉輸出額で、中国向けが初めてトップとなったことが6日までに分かった。中国の旺盛な消費需要が背景にある。豪政府の受託を受け、銀行のルーラルバンクがまとめた年次報告書で明らかにした。日本向けは6年連続で増え、過去最高を更新した。
報告書によると、2019会計年度(19年7月1日~20年6月30日)の総牛肉輸出額は、前年度比16・6%増の140億3000万豪ドル(1豪ドル約84円)。うち中国向けは同45・8%増の34億6500万豪ドルと、初めて日本向けを上回った。
中国消費者の所得増加に伴う肉の需要増に加え、アフリカ豚熱の発生による豚肉の代替需要が高かったことが背景にある。ルーラルバンクは「需要増加は中国の豚の数量が回復するまで」とみて、次年度には伸び率が鈍化すると分析。また、中国との貿易摩擦で特定企業の輸入禁止措置がなされていることも、懸念材料だと指摘している。
日本向けの牛肉輸出額は、前年度比6・4%増の27億3900万豪ドルとなった。6年連続前年度を上回り、過去最高を更新した。ただ日米貿易協定で米国産に押され、次年度は拡大が難しいという。
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2021年03月07日

東日本大震災から10年 農業産出額 被災3県増加傾向 福島は水準戻らず
東日本大震災からの復興に向けた懸命の努力で、被災3県の農業産出額はいずれも増加傾向にある。だが、福島県だけは震災前の水準に戻っていない。岩手、宮城の両県が震災前を2割近く上回るのとは対照的だ。営農再開の遅れに加え、「風評被害」も課題となっている。
2018年の産出額は岩手が2727億円、宮城は1939億円。震災前の10年に比べると、それぞれ19%、16%増え、全国平均の11%を上回る伸び率となった。だが、福島県の18年の産出額は同9%減の2113億円。震災後に、震災前を上回った年は一度もない。
営農再開率3割
産出額が回復しない要因の一つは、東京電力福島第1原子力発電所事故で避難を強いられた12市町村の営農再開率が約3割にとどまることだ。12市町村の産出額は127億円で、こちらも震災前の約3割だった。
農水省や福島県などでつくる官民合同チームの調査では、この12市町村で営農再開の意向がないか未定の農家のうち、所有する農地を貸し出してもいいと考えている人が7割いた。同省は営農再開の加速に向け、こうした農地を集めて担い手にマッチング(結び付け)することが重要だと指摘。4月に施行する改正福島特措法で、これを後押しする。
同法は、市町村が行っている農地中間管理機構(農地集積バンク)を通じた農地集積の計画作成などを、福島県もできるようにした。市町村の職員が不足する避難解除区域での集積をさらに進めるためだ。新たな制度を通じ、同省は25年度末までに12市町村の営農再開面積を震災前の60%に当たる1万378ヘクタールにすることを目指す。
風評被害も課題
福島県では、風評被害も大きな課題のままだ。消費者庁の2月の調査によると、同県産の食品の購入をためらう消費者の割合は8・1%。過去最小となったが、今も一定に存在する。同県の主要農産物の価格が全国平均を下回る状況も続いている。全国平均に比べ、米は約3%、牛肉は11%、桃は16%下回る。
原発事故後、同県産をはじめとした日本産食品の輸入規制をする国・地域は最大で54あったが、15まで減った。19年の同県産の農産物の輸出量は過去最高を更新。だが日本の主要な輸出先の香港や中国などは、今も同県産の輸入規制を続ける。
風評被害の払拭(ふっしょく)に向け、同省はテレビCMやウェブを通じた県産農産物のPRなどを支援。20年には卸や小売業者に対し、同県産を取り扱わなかったり、買いたたいたりしないように求める通知も出した。輸入規制の撤廃は、昨年4月に設置した農林水産物・食品輸出本部が外務省などと連携し、各国への働き掛けを進めている。
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2021年03月07日
生協宅配の新規加入者 「収束後も利用増」の意向 生協総研が調査
生協宅配の新規加入者のうち、新型コロナウイルス収束後も利用を増やすとした回答が約3割に上ったことが、生協総合研究所の調査で分かった。コロナ下で生協宅配の新規加入を決めたタイミングは、1回目の緊急事態宣言が発令された昨年4月が最も多かった。
調査は、昨年10~11月、世帯や回答者本人が生協宅配を主に利用している全国の25~64歳の女性を対象に実施し、4881人が回答した。……
2021年03月07日

20年産米食味ランキング 特A 3年連続50超 競争激化、有利販売が鍵
日本穀物検定協会(穀検)は4日、2020年産米の食味ランキングを発表した。最高位の「特A」に格付けされた産地銘柄数は53となり、3年連続で50を超えた。北海道「ゆめぴりか」、山形「つや姫」が特Aの連続記録を伸ばした。新型コロナウイルス下で家庭用米の販売競争が激しさを増す中、特A取得を有利販売につなげられるかが焦点だ。
ランキングは今年で50回目。米の良食味競争の激しさに伴い、出品数は増加傾向にある。今回対象となったのは44道府県の154産地銘柄。このうち、特Aは53銘柄で過去最多の18年(55)や19年(54)に次ぐ高水準だった。穀検は「米の主産県は、特Aを取る代表銘柄を持っていないと競争に負けるという思いがある」と指摘する。
コロナ下で、業務用の銘柄も家庭用米市場に流入して競争は激化。特Aで良食味米のお墨付きを得て、販売に弾みをつけたい産地が多かった。
今回初めて特Aを取得したのは、愛知「ミネアサヒ」(三河中山間)、鳥取「コシヒカリ」、初出品の長崎「なつほのか」など6産地銘柄。愛知県産米の特A取得は初めて。初出品の富山「富富富」はAだった。
北海道は3産地銘柄全てで特Aを取得。「ゆめぴりか」が10年連続、「ななつぼし」が11年連続となる。山形「つや姫」は地域区分の変更はあるが、県産としては10年産のデビュー以降、連続で特Aを取得する。新潟・魚沼「コシヒカリ」も特Aを守った。県オリジナル品種としては、青森「青天の霹靂(へきれき)」、岩手「銀河のしずく」、福井「いちほまれ」、山形「雪若丸」が特Aを取得した。
高温耐性、新興勢が健闘 主力銘柄“苦戦”も
良質米の生産拡大と消費拡大を目的に始まった食味ランキングは、1989年から最高位「特A」を設けている。競争の高まりとともに出品数は年々増加。「特A」獲得を売り場やホームページなどで宣伝するなど販売ツールとしても使われ、ブランド米として販売するための必須条件ともなっている。産地は、「特A」獲得を目指して良食味米生産に取り組む。
今回は、開発されてから時間がたった品種に苦戦が見られた。「あきたこまち」は主産地の秋田で9年ぶりに「特A」を逃した。「ひとめぼれ」は生産量が多い岩手と宮城県で「特A」がゼロ。「ヒノヒカリ」は16産地が出品したが「特A」は2産地にとどまった。こうした産地では、新品種の導入が進んでいる。
存在感を示したのは高温耐性品種だ。「にこまる」は出品した5産地全てで「特A」を獲得。新品種「なつほのか」も長崎で獲得した。「つや姫」は大分では逃したが、他の産地では全て「特A」だった。
産地間や新旧品種の勢力争いは年々活発化している。新型コロナウイルス禍で家庭内消費が高まっているものの、消費者の低価格志向もあり、ブランド米市場の販売環境は厳しい。「特A」を獲得したブランドは、全体の3分の1を占める。関係者は「良食味に加え、さらに価値を訴求できるかが重要」と指摘する。
<ことば> 米の食味ランキング
日本穀物検定協会が1971年産から始め、今回で50回目。食味試験をし、産地銘柄ごとに「特A」「A」「A´」「B」「B´」の5段階で格付けする。複数産地の「コシヒカリ」のブレンド米を基準に、外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6項目で評価する。
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2021年03月05日
ホクレン乳価決着遅れ バター・脱粉在庫増で
ホクレンと乳業メーカーの2021年度乳価交渉が長期化している。新型コロナウイルス禍で生乳需要が減り、バターや脱脂粉乳など乳製品の在庫が積み上がる中、生産した生乳を全て販売するための需要確保対策を調整し、決着が遅れている。乳価決定が3月にずれ込むのは5年ぶり。……
2021年03月05日

福島のブランド 「伊達鶏」おにぎり 香港フェア初出展
福島県のブランド鶏「伊達鶏」の製造販売を手掛ける伊達物産(伊達市)は、農林中央金庫福島支店などの支援を受け、県が県産品の販路拡大を目指す物産展「ふくしまプライド。フェアin香港」に参加し、「肉ゴロッとおにぎり」を海外初出展した。香港のスーパーで7日まで販売する。……
2021年03月05日
全国13生花卸連携 共同仕入れ視野に 協議会始動
大田花きやなにわ花いちばなど、花き卸13社が市場機能の強化を目的に立ち上げた協議会が3日から本格始動した。物流の効率化に加え、市場が地域の花き産業を活性化する役割を担えるよう、花き卸の再編を視野に改革に乗り出す。共同仕入れ体制の確立や地方卸の集荷機能の強化などを図り、産地に信頼される市場の確立を目指す。
名称は「勉強会―共同仕入機構―日本地域文化振興協議会」。……
2021年03月04日
イチゴの消費喚起 食育団体 産地・飲食店、双方PR
食育活動を推進する青果物健康推進協会は新型コロナウイルス下で販促活動が制限されるイチゴ産地に代わり、人気飲食店とのマッチングを進める。メニュー開発を通じてイチゴの消費を喚起し、厳しい局面に立つ産地と飲食店双方のPRにつなげる。
農水省の「国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業」を活用する。……
2021年03月04日

1月農産物輸出40%増 家庭向け好調 過去10年で最高
2021年の農林水産物・食品の輸出は好調な滑り出しとなった。農水省がまとめた1月の輸出額は前年同月より40%増の758億円で、1月としては過去10年で最高だった。新型コロナウイルス下、牛肉やリンゴ、緑茶などの引き合いが家庭向けで強まった。飲食店の規制が続く地域もあり、輸出拡大には家庭用需要の開拓が重要になっている。
前年からの伸びが特に大きいのは、リンゴで185%増の40億円。最大の輸出先の台湾では、春節向けの需要がピークを迎えた。コロナ下で家庭用需要が高まったことや、昨年は春節が早く1月には輸出のピークを過ぎていたことで増加幅が大きくなった。青森県は、「台湾や香港で小売りの伸びが大きい。リンゴは日持ちも良く、巣ごもり需要で選ばれた」(国際経済課)と指摘する。
牛肉、豚肉、鶏卵など畜産物も軒並み、家庭での需要の高まりを受けて好調だった。牛肉は、69%増の23億円。カンボジア、香港、台湾などアジア向けが伸びた。「香港向けは、家庭用に日本産の牛肉需要がある」(日本畜産物輸出促進協議会)という。
緑茶も25%増の14億円と勢いがある。日本茶輸出促進協議会によると、家庭でも手軽に飲める粉末茶が支持されている。担当者は「緑茶のおいしさや効能が認知されて、繰り返し購入する人が増えている」と話す。
その他の青果物も巣ごもり需要で好調だった他、米は31%増の5億円。日本酒も64%増の23億円と大きく伸びた。
政府は30年に農林水産物・食品の輸出額を5兆円にする目標を掲げる。海外のニーズや規制に対応し、輸出向けに生産する輸出産地を選定して、支援している。
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2021年03月03日