今冬 降雪量に地域差 平年の倍… 一方で半分以下も
2021年01月08日


JAこまち中央営農センター裏に1階が埋もれる高さまで積もった雪(秋田県湯沢市で)
日本付近は今後10日にかけて、強い冬型の気圧配置となり、各地で大雪となる可能性が高い。ただ、今冬は降雪量が平年の2倍に増えている場所もあれば、半分程度にとどまる場所もあり、降雪量の地域差が目立つ。既に大雪に見舞われた地域は一層の積雪となるが、降雪量が少ない地域では地表が寒気にさらされることで、凍害の恐れも出ている。
気象庁によると、2020年11月~21年1月6日の累積降雪量は、豪雪地帯の北海道岩見沢市岩見沢で535センチ(平年319センチ)、新篠津村新篠津で513センチ(同313センチ)となるなど、平年を大きく上回る地点が続出している。一方、芽室町芽室は平年の降雪量は145センチだが、同期間は一度も降らなかった。
東北以南の本州各地でも、降雪量に差が出ている。東北では秋田県湯沢市湯沢で425センチ(同221センチ)となる一方、青森県弘前市弘前は124センチ(同209センチ)と少ない。信越では、新潟県長岡市長岡の272センチ(同126センチ)に対し、長野県木曽町開田高原が83センチ(同118センチ)にとどまる。
地形や風向きなどで降雪量に地域差は毎年出るが、同庁は「既に積雪量が多い地域は、さらに増えてくる。一方で、これまでは少なかった地域も警戒してほしい」(天気相談所)と注意を促す。
秋田県横手市は7日午後3時時点の積雪量が155センチで、平年の3・6倍の積雪を記録している。市内で水稲や果樹などを栽培する小原正樹さん(59)方では、先月20日ごろと年明けの2度の寒波で、ホウレンソウを栽培するハウス6棟のうち5棟が全壊、1棟が半壊する被害が出た。半壊したハウスのビニールを外したが、骨組みの上にも雪が積もっており、今までにない状況だ。
同市など秋田県南部ではこれまで何度か雪害に遭ってきた。以前は長時間雪が降り続いたことが影響したが、今回は「2、3日で1メートルの雪が積もった」(小原さん)。このため雪下ろしが進まないという。
県農林政策課によると7日午前11時現在、県内では横手市や湯沢市など県南部を中心にホウレンソウやセリ、花きなどに被害が出た他、施設被害も発生。被害額は2億5800万円に上る。
小原さんは「リンゴの木も雪に埋まり、枝が折れているだろう。調査ができていない所もあり、被害は拡大するのではないか」と心配する。
気象庁の帯広測候所によれば、北海道帯広市では6日まで記録的な「積雪ゼロ」が続いた。1983年の観測以来、初めてのことだ。7日は十勝地方でも降雪があったが、8日以降は再び晴れが続く見込み。例年は雪の下で越冬する小麦が地表に出てしまい、凍害の恐れが出てきた。農家らは土壌の凍結が例年より深く進んでいるとして、土中で越冬する作物への影響を危惧している。
帯広市に近い音更町で39ヘクタールの畑作経営をする小川磯治さん(64)は、今後の降雪を期待している。秋まき小麦「きたほなみ」は種まきがやや遅れたものの、昨年10月後半から11月にかけて気温が高めだったため、生育は予想以上に進んだ。だが、土壌の凍結が長期化することに危機感を持つ。
小川さんは「養分がしっかり蓄積されて越冬を迎える態勢ができているので、かなりの悪条件にも耐えられる」としながらも、「これ以上凍結が進むと、凍結した層が融雪時期に邪魔をして、融雪水が浸透しないことも想定される」と危惧する。十勝地方では、春掘りのナガイモに対しても凍害を心配する声が相次いでいる。
気象庁によると、2020年11月~21年1月6日の累積降雪量は、豪雪地帯の北海道岩見沢市岩見沢で535センチ(平年319センチ)、新篠津村新篠津で513センチ(同313センチ)となるなど、平年を大きく上回る地点が続出している。一方、芽室町芽室は平年の降雪量は145センチだが、同期間は一度も降らなかった。
東北以南の本州各地でも、降雪量に差が出ている。東北では秋田県湯沢市湯沢で425センチ(同221センチ)となる一方、青森県弘前市弘前は124センチ(同209センチ)と少ない。信越では、新潟県長岡市長岡の272センチ(同126センチ)に対し、長野県木曽町開田高原が83センチ(同118センチ)にとどまる。
地形や風向きなどで降雪量に地域差は毎年出るが、同庁は「既に積雪量が多い地域は、さらに増えてくる。一方で、これまでは少なかった地域も警戒してほしい」(天気相談所)と注意を促す。
降り過ぎ 除雪追い付かず
秋田県横手市は7日午後3時時点の積雪量が155センチで、平年の3・6倍の積雪を記録している。市内で水稲や果樹などを栽培する小原正樹さん(59)方では、先月20日ごろと年明けの2度の寒波で、ホウレンソウを栽培するハウス6棟のうち5棟が全壊、1棟が半壊する被害が出た。半壊したハウスのビニールを外したが、骨組みの上にも雪が積もっており、今までにない状況だ。
同市など秋田県南部ではこれまで何度か雪害に遭ってきた。以前は長時間雪が降り続いたことが影響したが、今回は「2、3日で1メートルの雪が積もった」(小原さん)。このため雪下ろしが進まないという。
県農林政策課によると7日午前11時現在、県内では横手市や湯沢市など県南部を中心にホウレンソウやセリ、花きなどに被害が出た他、施設被害も発生。被害額は2億5800万円に上る。
小原さんは「リンゴの木も雪に埋まり、枝が折れているだろう。調査ができていない所もあり、被害は拡大するのではないか」と心配する。
雪がない 土壌凍結が心配

「越冬前の生育条件は良好だったので、これ以上土壌の凍結が進まないでほしい」と願う小川さん(北海道音更町で)
帯広市に近い音更町で39ヘクタールの畑作経営をする小川磯治さん(64)は、今後の降雪を期待している。秋まき小麦「きたほなみ」は種まきがやや遅れたものの、昨年10月後半から11月にかけて気温が高めだったため、生育は予想以上に進んだ。だが、土壌の凍結が長期化することに危機感を持つ。
小川さんは「養分がしっかり蓄積されて越冬を迎える態勢ができているので、かなりの悪条件にも耐えられる」としながらも、「これ以上凍結が進むと、凍結した層が融雪時期に邪魔をして、融雪水が浸透しないことも想定される」と危惧する。十勝地方では、春掘りのナガイモに対しても凍害を心配する声が相次いでいる。
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2021年03月06日

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福島県のブランド鶏「伊達鶏」の製造販売を手掛ける伊達物産(伊達市)は、農林中央金庫福島支店などの支援を受け、県が県産品の販路拡大を目指す物産展「ふくしまプライド。フェアin香港」に参加し、「肉ゴロッとおにぎり」を海外初出展した。香港のスーパーで7日まで販売する。……
2021年03月05日

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善玉菌は、イネもみ枯細菌病に感染した稲の幼苗から見つかった。……
2021年03月04日
コロナと田園回帰 共生できる環境整備を
新型コロナウイルス禍で田園回帰への関心が高まっている。政府や自治体などは農山村への人の流れを加速させようと懸命だ。しかし、人口を増やすことだけが目的だと一過性に終わりかねない。移住者と住民が互いに共生できる地域づくりが欠かせない。
都市は「3密」になりやすく、新型コロナの感染リスクが高い。このため人口密度の低い農山村の価値が見直され、東京一極集中に是正の兆しもみられる。人口移動に関する総務省の統計では、東京都から出て行く転出者は2020年が40万人を超え、前年より4・7%増えた。比較可能な14年以降で最多だ。一方、東京都への転入者は43万人で同7・3%減った。
この流れを「ビックウエーブ」と歓迎する声もあるが、疑問だ。北海道のある自治体の移住担当者は「都市からの一時避難として移住する人を増やしても、地域にとって意味がないのではないか」と冷静に捉える。
テレワークが普及し、都市に住んでいた時と同じ仕事をしながら住居だけを変える「引っ越し感覚」の移住では、地域とあまり関わらないままになる可能性がある。農的な暮らしがしたいなど、希望を持って移住してくる人の受け入れ態勢をどうつくるかが重要である。
参考になるのが、酪農ヘルパーの労働環境改善に向けた北海道での取り組みだ。酪農家の休暇や冠婚葬祭時などに欠かせず、道外からの移住者らが担い手になっている。多くの酪農家には従来、作業員や労働力としての捉え方が強かったという。
一方、インターンシップの受け入れができなかったことなどで酪農ヘルパーの希望者が減少。北海道酪農ヘルパー事業推進協議会(事務局=JA北海道中央会)は、道全域の組合で、就業規則の整備率100%を目指し運動を始めた。地域によっては、酪農ヘルパーをしながら他の仕事もする「半酪農ヘルパー半X」も活躍している。
道東の酪農家は「労働環境を改善し、酪農ヘルパーが生き生きと地域で暮らすことで、他の人もこの地域に関心を持ち、地域全体に良い影響をもたらす」と期待する。
北海道では、酪農ヘルパーだけでなく、新規就農者に加え、学生や地域おこし協力隊、他に仕事を持っている人、1日契約など週末だけ農業でアルバイトをする主婦ら、多様な人が農業への関心を高めている。農家や産地も専業農家の確保・育成だけでなく、そうした人たちを大切にし、受け入れようとの意識に変わってきている。
しかし農業の労働環境の整備・改善や、ライフスタイルや価値観が多様な人たちの受け皿づくりは一朝一夕にはできない。農家や産地、地域の取り組みが必要だ。一方で「引っ越し感覚」で移住して来た人に、地域社会の一員としての意識と関わりを持ってもらう取り組みも求められる。
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2021年03月03日
コロナ下の対応 鍵握る信頼関係 普及指導員に全国調査 日本農業普及学会
新型コロナウイルスの拡大で、普及指導員が活動に影響を「大いに感じた」「感じた」が9割に上ることが4日、日本農業普及学会の調査で明らかになった。同日の春季大会で報告した。同学会は「電話やメールなどでも一定の対応ができる。農業者と信頼関係を築き、普及活動を進めることが課題だ」と指摘した。……
2021年03月05日
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歌い奏で 農家にエール 活躍する北海道のミュージシャン
新型コロナウイルス禍で農産物の販売が苦境に立つ中、歌の力で農作物や農山村、JAを応援しようという機運が、北海道で高まっている。「北海道米」を題材に歌う音楽家、オホーツク発の音楽を奏でる“半農半ミュージシャン”、観光応援大使として市町村の楽曲を作るグループ――“道産”の音楽が地域を盛り上げている。(坂本俊二、関山大樹、望月悠希)
米の魅力ボサノバで 木村ゆうさん 札幌市
ボサノバ調の「お米のボッサ」で北海道米をPRするのは、札幌市の木村ゆうさん(30)。5歳の頃からピアノを習い、市内の大学で音楽を学んだ後、会社員との兼業で作詞作曲や演奏活動をしている。
2020年8月、食育イベントに参加した時に米の消費が落ちている現状を知った。ご飯が大好きで演奏前に欠かさず食べるという木村さんは、もっとお米を食べてもらおうと、歌を作ることにした。
歌では「指を立ててやさしく 何度も何度も何回も研いできれいにするの」と米のとぎ方を描写。「おいしいご飯をあの人と食べたいな 炊き立てを準備して帰りを待つの」とまとめた。
こだわったのが、品種名を盛り込むこと。「ななつぼし」は北斗七星、「おぼろづき」「ほしのゆめ」はきれいな風景をイメージ。「ゆめぴりか」の「ぴりか」はアイヌ語で「美しい」という意味だった。名前の由来について調べると、ますます愛着が湧いた。
単純に並べるのではなく、意味を持たせて「北に光るななつぼし ほしのゆめを見る 夜を照らすおぼろづき きらら397」と流れるように仕上げた。
各種音楽配信サイトで発表して以来、歌は好評で、演奏会でもリクエストがあるという。木村さんは「歌を通して多くの品種を知って、北海道米をたくさん食べてほしい」と願っている。
麦育てつつライブ 遠藤正人さん 北見市
「音農家」の遠藤さん(遠藤さん提供)
北見市の遠藤正人さん(40)は小麦などを35ヘクタールで栽培する傍ら、ギタリストとして精力的に活動する。自ら「音農家(おんのうか)」と名乗り、東京でもライブをして、オホーツク地方や農業の魅力を発信している。
2008年にメジャーデビューしてCD2枚、DVD4枚を発売。東京で10年間、ライブ活動やバックバンドなどをした後、32歳で畑作農家の後継者としてUターンした。今は高齢者施設や教育施設での演奏など、農作業の合間に音楽活動を展開。スタジオミュージシャンとして録音にも携わる。遠藤さんは「“音農家”として、農業の魅力や格好良さを広げていきたい」と語る。
JAとMVを制作 ハンバーガーボーイズ 札幌市
北海道観光応援大使を務めるハンバーガーボーイズ
2012年に結成された札幌市の3人組ユニット「ハンバーガーボーイズ」は、道内の各市町村と連携した楽曲を作り、地域や農家、JAを応援する。
北海道観光応援大使も務めており昨年はJAそらち南のイメージソング「NOU NOU NOUKA(ノウノウノウカ)」を制作した。ミュージックビデオ(MV)にはJAの役員や農家らが出演。新しいJAの魅力を幅広い層に発信することに大きく貢献している。
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2021年03月06日
[新型コロナ] 4都県の緊急事態宣言再延長 落胆… でも感染心配
新型コロナウイルスの感染対策として4都県に出されていた緊急事態宣言が、再延長される。経済活動の自粛・縮小で影響を受けてきた花生産者や観光農園は解除を期待していただけに、落胆の色を隠せない。一方で、東京都などの新規感染者数の下げ止まりで「延期はやむを得ない」との声も上がる。
千葉県県花き園芸組合連合会会長の朝生尅巳さん(84)は「解除になることを心待ちにしていた。残念だ」と肩を落とす。
自らも千葉県君津市のハウス2棟でカラーを生産しており「花は、卒業式や入学式、歓送迎会など今が一番の需要期だから、早く解除になってもらいたい」と早期の解除を願う。ただ「名目だけ解除となって、(感染拡大などで)後から苦しむようでは仕方がない。早く安全な時が来てほしい」と憂慮する。
埼玉県三郷市でイチゴ狩り園や農家カフェを経営する農家は「緊急事態宣言下では、1日30~40人いたイチゴ狩りの客を半分程度にした。早く解除してほしい」と話す。宣言延長については「コロナ対策も大事。仕方ないことだと思っている」。
農家カフェでは感染防止対策を徹底。そのかいあって「感染対策をしっかりしている店だと口コミで広がり、来てくれる人もいる」という。「しっかりとした対策がないまま宣言が解除されることで、お客さんが密集して感染が発生してしまうことが正直言って一番怖い」とこぼす。
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2021年03月06日

福島県産リンゴ 東峰村産ユズ グラノーラ発売 復興応援へコラボ 福岡・エフコープ生協
福岡県のエフコープ生協(篠栗町)は8日、東峰村産ユズと福島県産リンゴのコラボレーション商品「柚子(ゆず)ピールとりんごのフルーツグラノーラ」を発売する。東日本大震災から10年がたつのに合わせ、同震災と九州北部豪雨からの復興に向けた絆でつながる、両県の特産物を使った企画。同生協は「復興応援活動の象徴にしたい」と期待を込める。……
2021年03月06日

記録的な大雪 ハウス279棟が損壊 北海道・JAふらの管内
記録的な大雪となっている北海道のJAふらの管内で、4日までに118戸・279棟のビニールハウスが損壊する被害が出ている。JAは「作付けを諦める人が出る可能性もある」と危惧。修繕に向けて、資材の確保などの対応を進める。
前線を伴う低気圧が発達し、北海道を通過した。札幌管区気象台によると、富良野市の2日の最深積雪は119センチで、1979年の統計開始以降、最も大きかった。農家はハウスがつぶれないよう懸命に除雪し、ハウス内に支柱を立てるなど対策を講じたが、降雪量が多過ぎたという。
JA職員が目視で確認した管内3市町(富良野市、中富良野町、上富良野町)の被害件数は3日午後4時時点で、全壊が279棟。農家への調査も進めており、被害はさらに広がる可能性がある。被災したのは、ハウスの苗床を確保する時期を迎えていたメロン農家が最も多かった。アスパラガスや水稲の農家も被害を受けた。
JAの武田達樹常務は「作付けの維持に向けて、実態を把握し修繕に向けた資材の確保を進めたい」と強調する。
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2021年03月05日

日本型アニマルウェルフェア開発へ 集まれ“応援団” 鶏肉販売始める 信州大農学部
信州大学農学部(長野県南箕輪村)は3日、アニマルウェルフェア(快適性に配慮した家畜の飼育管理)の飼育施設で育てた鶏肉の販売を始めた。研究の一環で飼育した肉用鶏を販売することで、消費者へのアニマルウェルフェアの認知度向上につなげる考えだ。
同大によると、アニマルウェルフェアの畜産物を大学の農学部が販売するのは全国初。販売するのはモモ肉、ムネ肉、手羽元の3部位で、いずれも冷凍している。
同学部では2020年7月に、アニマルウェルフェアに対応した研究用鶏舎を完成させた。鶏は1平方メートル当たりの飼育数を日本の一般的な飼育数の15、16羽より少ない11羽で飼育し、飼育密度を下げた。この他にも、鶏舎内で終日照明を点灯させずに、1日2時間連続で照明を消すなどしてストレスを軽減させ、快適な環境をつくった。
今回販売する鶏肉は、昨年12月下旬にひなから育て、2月上旬に山梨県笛吹市の加工業者に出荷した310羽分。
研究に取り組む竹田謙一准教授は「販売を通じて、消費者がアニマルウェルフェアの考え方を知り、応援団になってもらいたい」と説明する。
キャンパス内の直売所で発売。モモ肉1袋(2キロ)2000円、ムネ肉1袋(同)1500円、手羽元1袋(同)1300円。
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2021年03月04日

“和牛少年” 春のセンバツ出場 もう一度「紫」この手に 長崎県立大崎高 野球部主将 秋山さん
「おうちの牛にも(褒賞の)紫色のリボンが欲しい」と、共進会に牛を引いて出場したかつての「和牛少年」が、今度は紫紺の優勝旗を目指し春の選抜高校野球大会に挑む。少年の名は秋山章一郎さん(17)。長崎県立大崎高校野球部の主将として第93回大会に出場する。「野球ができるのも家族と牛のおかげ」と語る秋山さんは、19日の開幕に向け「応援してくれる皆さんに喜んでもらえるように、一勝でも多く勝ちたい」と、澄んだ瞳で前を見据える。
6歳で共進会入賞 牛、家族が支え
秋山さんは幼い頃から牛に興味があり、「大きくなったら牛飼いになる」が口癖だった。6歳だった2009年秋、同県雲仙市主催の和牛共進会若雌第2部に父親の清さん(45)に導かれて登場し、出品牛が1等を受賞。会場の喝采の中で、急きょ章一郎さんに「特別賞」が与えられたというエピソードを持つ。
育てた牛を和牛共進会で父親と引く当時6歳の秋山さん(長崎県雲仙市で)
野球では、名将といわれた清水央彦(あきひこ)監督に憧れを抱くようになり、清水監督が大崎高校野球部の監督に就任すると、その思いが加速。同校に入学を果たした。
同校は甲子園初出場。長崎県西海市の西の外れにある人口5000人ほどの小さな島の高校だ。生徒数は113人で、現在の野球部員は3年生が抜けて29人。全員が寮生活をしている。
秋山さんは主将として部員を束ねる。心掛けているのは、誰よりも先に行動して先頭に立つことで「自分がやらないと部員もついてこない」と話す。チームの特徴は「チームワークが良いところ」だ。
監督が考案したという丸太を使ったトレーニングはきついが、体幹を鍛えるため部員を鼓舞し、熱心に取り組んでいる。監督に対しては「いつも自分たちのことを第一に考えてくれる。監督、部長らがいなければ今の自分はない」と話す。
今は「野球に“全集中”」の秋山さんだが、牛の事も忘れない。実家で飼う牛の名前は全て覚えており、子牛が生まれれば家族から電話で知らせが入り「素直にうれしい」という。
甲子園球場には家族全員が応援に来る。「自分には、大好きな家族と、牛と、野球がある。毎日が充実している」と秋山さん。両親は「監督に野球を教えてもらえることは、息子にとって一生の宝物になると思う。一生懸命頑張ってほしい」とエールを送る。
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2021年03月03日

表面パリッ 内側もちっ カチョカバロ人気 兵庫・淡路島牛乳
ステーキで食べるチ乳業メーカーの淡路島牛乳(兵庫県南あわじ市)が製造・販売するイタリア発祥のチーズ「カチョカバロ」が人気を集めている。厚くスライスして両面を焼き上げて食べるのが特徴。「ステーキにして食べるチーズ」として売り込んでおり、新しい食べ方が消費者の支持を広げている。……
2021年03月03日

桃の節句 華やかに 「さげもん」作り20年 JAふくおか八女の女性部員
JAふくおか八女立花地区女性部員の甲木壽子さんは、ひな祭りに飾るつるし飾り「さげもん」を作り続けて20年以上の「手芸名人」だ。作ったさげもんは、地元の「道の駅たちばな」で販売。女性部のさげもんサークルで作り方を指導しJAのイベントで展示するなど、精力的に活動している。
さげもんは、福岡県柳川地方に伝わるつるしびな。鶴や亀、エビ、セミなどの生物をかたどった人形を、子どもの成長を願って飾る。
甲木さんが作り始めたのは、孫の誕生がきっかけだった。初節句の日に座敷に飾っていると、そのかわいさや華やかさが評判を呼び、写真を撮りに訪れる人もいたという。
素材にはちりめんを使い、着物の布でも作れるという。一針ずつ手縫いで作り「孫が健康でありますように」と願いを込める。年中作業をしており、1年に1対完成する。「縫い仕事をしていると日頃の嫌なことも忘れて夢中になれる」と甲木さん。さげもんの他にも「苦難猿」という縁起物の置物も製作している。
2月中旬に八女市のJA立花地区センターで開かれた女性部の展示会で、甲木さんや仲間が製作したさげもんが彩りを添えた。甲木さんは「いろんな種類の人形のかわいらしさと華やかさが魅力。今後も女性部の仲間と一緒に作り続けていきたい」と話す。
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2021年03月02日

[活写] カスミソウ 収束願って、幸せ誓って
婚礼で使われるはずだった高品質の花を活用しよう──。東京駅のイベントスペース「スクエアゼロ」に2月26、27の両日、熊本産などの宿根カスミソウ3000本を使った展示が登場した。バージンロードを意識した配置で、花を天井に向かってアーチ状にし、式場の雰囲気を演出した。
花きの仲卸や市場卸、小売りなどで構成する「ブライダルフラワー支援協議会」が企画。新型コロナウイルス禍で婚礼件数が激減し、打撃を受けている花の産地や業界を盛り上げる狙い。
展示した生花は白と緑だけを使い、中央のモニターにカラフルな花々や咲き誇るカスミソウの画像を投影した。モニターの前に椅子を2脚置き、通る人が記念写真を撮って楽しめるようにした。
デザインと装飾を担当したフラワーアーティストの中川聖久さんは「未来の婚礼を思い浮かべたり、過ぎ去りし婚礼を懐かしんだりしてほしい」と話す。
協議会は2020年度補正予算の「公共施設等における花きの活用拡大支援事業」を利用し、展示を行っている。
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2021年03月01日

食・農就活サミット 72団体が出展
農業に特化した求人情報サイト「第一次産業ネット」を運営するライフラボは28日、2022年春に卒業予定で就職活動中の学生らを対象にした「食・農就活サミット」を東京都千代田区で開いた。農業法人や食品関連会社など72団体が出展。就活生ら約500人が参加した。
水稲や野菜、畜産を手掛ける法人の他、JAや農薬会社などの企業・団体が出展。……
2021年03月01日