今冬 降雪量に地域差 平年の倍… 一方で半分以下も

JAこまち中央営農センター裏に1階が埋もれる高さまで積もった雪(秋田県湯沢市で)

 日本付近は今後10日にかけて、強い冬型の気圧配置となり、各地で大雪となる可能性が高い。ただ、今冬は降雪量が平年の2倍に増えている場所もあれば、半分程度にとどまる場所もあり、降雪量の地域差が目立つ。既に大雪に見舞われた地域は一層の積雪となるが、降雪量が少ない地域では地表が寒気にさらされることで、凍害の恐れも出ている。

 気象庁によると、2020年11月~21年1月6日の累積降雪量は、豪雪地帯の北海道岩見沢市岩見沢で535センチ(平年319センチ)、新篠津村新篠津で513センチ(同313センチ)となるなど、平年を大きく上回る地点が続出している。一方、芽室町芽室は平年の降雪量は145センチだが、同期間は一度も降らなかった。

 東北以南の本州各地でも、降雪量に差が出ている。東北では秋田県湯沢市湯沢で425センチ(同221センチ)となる一方、青森県弘前市弘前は124センチ(同209センチ)と少ない。信越では、新潟県長岡市長岡の272センチ(同126センチ)に対し、長野県木曽町開田高原が83センチ(同118センチ)にとどまる。

 地形や風向きなどで降雪量に地域差は毎年出るが、同庁は「既に積雪量が多い地域は、さらに増えてくる。一方で、これまでは少なかった地域も警戒してほしい」(天気相談所)と注意を促す。
 

降り過ぎ 除雪追い付かず


 秋田県横手市は7日午後3時時点の積雪量が155センチで、平年の3・6倍の積雪を記録している。市内で水稲や果樹などを栽培する小原正樹さん(59)方では、先月20日ごろと年明けの2度の寒波で、ホウレンソウを栽培するハウス6棟のうち5棟が全壊、1棟が半壊する被害が出た。半壊したハウスのビニールを外したが、骨組みの上にも雪が積もっており、今までにない状況だ。

 同市など秋田県南部ではこれまで何度か雪害に遭ってきた。以前は長時間雪が降り続いたことが影響したが、今回は「2、3日で1メートルの雪が積もった」(小原さん)。このため雪下ろしが進まないという。

 県農林政策課によると7日午前11時現在、県内では横手市や湯沢市など県南部を中心にホウレンソウやセリ、花きなどに被害が出た他、施設被害も発生。被害額は2億5800万円に上る。

 小原さんは「リンゴの木も雪に埋まり、枝が折れているだろう。調査ができていない所もあり、被害は拡大するのではないか」と心配する。
 

雪がない 土壌凍結が心配

 

 

「越冬前の生育条件は良好だったので、これ以上土壌の凍結が進まないでほしい」と願う小川さん(北海道音更町で)
 気象庁の帯広測候所によれば、北海道帯広市では6日まで記録的な「積雪ゼロ」が続いた。1983年の観測以来、初めてのことだ。7日は十勝地方でも降雪があったが、8日以降は再び晴れが続く見込み。例年は雪の下で越冬する小麦が地表に出てしまい、凍害の恐れが出てきた。農家らは土壌の凍結が例年より深く進んでいるとして、土中で越冬する作物への影響を危惧している。

 帯広市に近い音更町で39ヘクタールの畑作経営をする小川磯治さん(64)は、今後の降雪を期待している。秋まき小麦「きたほなみ」は種まきがやや遅れたものの、昨年10月後半から11月にかけて気温が高めだったため、生育は予想以上に進んだ。だが、土壌の凍結が長期化することに危機感を持つ。

 小川さんは「養分がしっかり蓄積されて越冬を迎える態勢ができているので、かなりの悪条件にも耐えられる」としながらも、「これ以上凍結が進むと、凍結した層が融雪時期に邪魔をして、融雪水が浸透しないことも想定される」と危惧する。十勝地方では、春掘りのナガイモに対しても凍害を心配する声が相次いでいる。

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