配合飼料高騰 長期化に農家恐々 負担増へ先手置き換え急ぐ 食べ残し削減徹底
2021年01月22日

飼料タンクを見上げ不安を吐露する竹村代表(北海道中標津町で)
トウモロコシや大豆など穀類相場の高騰で、国内で配合飼料の供給価格が上昇しているため、畜産現場に長期的な影響が及ぶ可能性が出てきた。JA全農によると、1~3月期の配合飼料供給価格は昨年10~12月期に比べ、全国全畜種総平均で1トン当たり3900円値上げされている。産地は、年内は高値が続く可能性があるとして、代替飼料の活用など新たな対策を模索し始めた。(関山大樹、中川達己)
北海道中標津町のTMR(完全混合飼料)センター「とうほろDairyCenter」は、配合飼料に大豆やトウモロコシなどを混ぜた混合飼料を作り、地域の酪農家の乳牛約1250頭に供給している。だが、飼料や原料を貯蔵する12個のタンクのうち現在、大豆だけが空の状態だ。
今冬、大豆を取引するメーカーに1トン当たり5000円の値上げを打診された。従来通りに飼料生産をした場合、年間400万円の負担増になる。代替策として、飼料の主要なタンパク源を加熱大豆から、タンパク含有率のやや低い「コーングルテンフィード」に置き換えた。
センターは大豆の他、トウモロコシ、しょうゆかす、配合飼料なども使う。代表の竹村聡さん(57)は「このままだと値上がりでさらに経費が増えるため、タンパク源を替えて早めに対策を打った」と説明する。
芽室町で肉用牛約4000頭を飼養する大野ファームは月700トンほど配合飼料を購入しており、飼料高騰前に比べ、毎月210万円経費がかさんでいる。代表の大野泰裕さん(56)は「配合飼料はすぐ置き換えられるものではないが、長期的に影響が続いた場合を考え、国産で置き換えられるものがあれば少しずつ替えていく」と見据える。
九州でも畜産農家が対応に苦慮する。飼養頭数50~100頭規模の養豚農家が多い宮崎県のJA都城では「豚の餌の食べこぼしを減らすなど、餌を無駄にしないこれまでの対策を継続し、徹底するよう呼び掛ける」(養豚課)としている。
穀類の国際価格の基準となるシカゴ先物相場では20日(米国現地時間)、トウモロコシが1ブッシェル5・22ドル。大豆も1ブッシェル13・70ドル。昨年1月の同相場はトウモロコシが同3ドル台、大豆は同8ドル後半~9ドル台で推移しており、今年は高値が続く。
相場高騰は昨年8月以降、南米や米国など主産地での高温乾燥や暴風雨による生育不良が原因。中国で飼料用の需要が増え、旺盛な輸入が続くことも影響した。
米国農務省が1月12日に発表した需給予測では、今年8月末の大豆の期末在庫は全需要量の3・1%と極めて低い水準に落ち込む見込み。穀類の需給逼迫(ひっぱく)が続けば、国内の配合飼料供給価格が高止まる可能性がある。
一方、1~3月期の配合飼料安定基金の補填(ほてん)額の決定は4月中旬を予定。発動されれば、5月末に支出される。
北海道中標津町のTMR(完全混合飼料)センター「とうほろDairyCenter」は、配合飼料に大豆やトウモロコシなどを混ぜた混合飼料を作り、地域の酪農家の乳牛約1250頭に供給している。だが、飼料や原料を貯蔵する12個のタンクのうち現在、大豆だけが空の状態だ。
今冬、大豆を取引するメーカーに1トン当たり5000円の値上げを打診された。従来通りに飼料生産をした場合、年間400万円の負担増になる。代替策として、飼料の主要なタンパク源を加熱大豆から、タンパク含有率のやや低い「コーングルテンフィード」に置き換えた。
センターは大豆の他、トウモロコシ、しょうゆかす、配合飼料なども使う。代表の竹村聡さん(57)は「このままだと値上がりでさらに経費が増えるため、タンパク源を替えて早めに対策を打った」と説明する。
芽室町で肉用牛約4000頭を飼養する大野ファームは月700トンほど配合飼料を購入しており、飼料高騰前に比べ、毎月210万円経費がかさんでいる。代表の大野泰裕さん(56)は「配合飼料はすぐ置き換えられるものではないが、長期的に影響が続いた場合を考え、国産で置き換えられるものがあれば少しずつ替えていく」と見据える。
九州でも畜産農家が対応に苦慮する。飼養頭数50~100頭規模の養豚農家が多い宮崎県のJA都城では「豚の餌の食べこぼしを減らすなど、餌を無駄にしないこれまでの対策を継続し、徹底するよう呼び掛ける」(養豚課)としている。
穀類の国際価格の基準となるシカゴ先物相場では20日(米国現地時間)、トウモロコシが1ブッシェル5・22ドル。大豆も1ブッシェル13・70ドル。昨年1月の同相場はトウモロコシが同3ドル台、大豆は同8ドル後半~9ドル台で推移しており、今年は高値が続く。
相場高騰は昨年8月以降、南米や米国など主産地での高温乾燥や暴風雨による生育不良が原因。中国で飼料用の需要が増え、旺盛な輸入が続くことも影響した。
米国農務省が1月12日に発表した需給予測では、今年8月末の大豆の期末在庫は全需要量の3・1%と極めて低い水準に落ち込む見込み。穀類の需給逼迫(ひっぱく)が続けば、国内の配合飼料供給価格が高止まる可能性がある。
一方、1~3月期の配合飼料安定基金の補填(ほてん)額の決定は4月中旬を予定。発動されれば、5月末に支出される。
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外食売上高21%減 1月、時短営業で客足激減
日本フードサービス協会が25日発表した1月の外食売上高は、前年同月比21・0%減となり、3カ月連続で前月より悪化した。新型コロナウイルス感染再拡大に伴う緊急事態宣言が再発令され、飲食店の時短による客足激減が響いた。
同協会の調査(有効回収222事業者、3万7475店)によると、ファストフードは1・4%減と、2カ月連続でマイナスだった。好調なハンバーガーなど「洋風」は2桁増と、全業態で唯一プラスだった。
ファミリーレストランは34・6%減と、前月より悪化した。このうち「焼き肉」は32・0%減と、下落幅が前月の約3倍に拡大した。
パブ・居酒屋は74・9%減と、最初の緊急事態宣言が発令された昨年5月並みの低水準だった。このうちパブ・ビアホールは79・0%減、居酒屋は73・5%減と、前月より大幅に悪化した。
同協会は「2度目の緊急事態宣言で、対象地域は酒類提供が午後7時まで制限され、飲酒業態は営業にならなかった。休業を選ぶ事業者も出ている」と、危機感を示した。
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2021年02月26日

ジュース寄贈に感謝の手紙続々 静岡・JAみっかび
【静岡・みっかび】静岡県のJAみっかびは昨年、新型コロナウイルス禍での医療従事者や子どもたちを応援しようと特産の温州ミカンのジュースを各所に贈った。そのお礼として感謝の手紙や……
2021年02月22日

農業・農村政策の新基調 人材育成の具体策を 明治大学農学部教授 小田切徳美
第2期地方創生が昨年4月からスタートした。筆者の理解では、新対策には「人口から人材へ」というシフトがある。地方創生の契機になったのが、増田寛也氏らによる「地方消滅論」だったため、第1期対策では人口減少に歯止めをかけることが、特に強調された。
しかし、地方創生の正式な名称である「まち・ひと・しごと創生」の「ひと」は「人材」を指しており、根拠法である地方創生法にはそのことが明記されている。ある程度の人口減少は進むものとして、それにもかかわらず地域の持続的発展を支えるような人材を社会全体でじっくりとつくり出していくことが、本来の地方創生の趣旨であろう。地域の消滅危機をあおり、短兵急な対応を現場にも自治体にも求めた地方創生は変わりつつある。
高校教育に期待
そこには、二つの象徴的な対象がある。一つは関係人口の創造である。人口に着目した場合、移住者数ばかりに目を奪われるが、特定の地域への関心と関与を持つ人々の全体像を見れば、より多数の多様な人々の存在が見えてくる。これは、地域の担い手を幅広く捉えようとする発想から生まれたものであろう。
もう一つは、「ふるさと教育」をはじめとする高校魅力化の推進である。小・中学校では、地域学習が進んでいるが、高校時代にはリセットされ、地域に無関心になりがちである。しかし、高校でも「ふるさと教育」が行われれば、例えば農業を含めた地域産業の状況とさまざまな可能性が視野に入り、挑戦できる具体的課題が高校生にも認識できる。さらに、卒業後、一度は大都市部に出たとしても、Uターンしたい時に、どこに相談すれば良いのか分かるという効果もある。従来は、そこに足掛かりさえなく、Uターンを呼び掛けても無理があった。このように高校魅力化は、人材の成長プロセスを意識した取り組みと言える。中央教育審議会は、高校の普通科に地域探求学科(仮称)の設置を提言しており、その実現も近い。
新基本計画にも
本欄において、あえてこのことを指摘したのは、昨年策定された食料・農業・農村基本計画にも、同様の傾向が埋め込まれているからである。それは、形式にも現れている。今回の計画では、「人材」という用語が57回登場しているが(目次を除く)、前回(2015年)の26回から倍増している。他方で、「担い手」という用語は、57回から33回に減少し、この二つの言葉の登場頻度は、新計画では逆転している。また、計画内で「人材」は、「育成」「確保」「裾野の拡大」「多様な」という言葉とセットで使われていることが多い。もちろん、「担い手」を「人材」に置き換えただけで、政策の前進があるわけではない。求められているのは人材育成の具体的施策であり、その点を注視したい。
このように、人口減少下では、できるだけ幅広く人材を捉え、その丁寧で具体的な形成プロセスを重視すべきである。そんな発想が地方創生と農政の双方において進行している。それは日本社会全体にも求められていることでもあろう。
おだぎり・とくみ 1959年生まれ。博士(農学)、東京大学農学部助教授などを経て、2006年から現職。現在、大学院農学研究科長。専門は農政学、農村政策論。日本地域政策学会会長。『農山村は消滅しない』『農村政策の変貌』(近刊)など著書多数。
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2021年02月22日
農地所有法人要件 無理筋の緩和を許すな
農地所有適格法人の議決権要件緩和の是非を巡る規制改革推進会議での検討は、期限まで1カ月余りとなった。同会議が意見を聞いた農業関連法人からは、法人買収や農地転用へ懸念が指摘された。同会議には、株式上場の解禁を視野に要件緩和に誘導しようとの思惑が透けて見えるが、無理筋である。
推進会議の検討課題は、農業法人が円滑に資金を調達する方策である。政府が規制改革実施計画に盛り込み、今年度中に検討し結論を出すとした。
同適格法人の要件について推進会議では①2分の1未満としている農業関係者以外の議決権制限の緩和②株式上場の解禁──の是非が焦点化。農外出資を拡大しやすくするのが狙いだ。これらを認めれば一般企業が経営を支配し、農地を事実上取得できるのと同じになる。
農水省の調査では、農業法人の資金調達の主体は融資だった。同省は、出資による資金調達の課題として、農外議決権を2分の1未満まで認めていることと議決権のない株式の活用が知られていないことを挙げる。これは、現行制度の下でも出資を増やせることを示している。
推進会議の農林水産ワーキンググループ(WG)が昨年12月に行った農業関連法人3社からの意見聴取でも、農業は制度資金が充実し、融資で資金を調達しやすいとの見方が強かった。一方、議決権要件などを緩和すると同適格法人が買収され農地が不正転用されるケースが出てくる可能性とその対策の必要性や、外国資本に支配されれば食料安全保障上問題になることなどについて指摘があった。
WGの委員からも質問の形で、敵対的買収で外国企業に買われることや、企業撤退後の農地荒廃への懸念が示された。
しかしWG座長の佐久間総一郎日本製鉄顧問は、意見聴取後に「選択肢として、上場していく道をもう少し整備することが重要」とまとめた。親会議の推進会議でも「(制度資金は)補助金。これは長続きしない、競争力がつかない」と、出資拡大方策へのこだわりを見せた。
国家戦略特区の兵庫県養父市で認めている企業の農地取得特例の全国展開を関係閣僚の慎重論や与党の反対論を無視し、特区諮問会議の民間議員がごり押ししようとしたことと重なる。
われわれは、農家や、農業者主導の同適格法人といった地域に根差した農業経営に農地所有は限るべきだと主張してきた。農地は地域の貴重な資源であり、農地や水の利用調整をはじめ地域と調和し、農業振興や、自らの暮らしの場である農村の維持・活性化への役割発揮が所有者には求められるからだ。
同適格法人の議決権要件などの緩和は、一般企業による経営支配に加え、農地の資産価値に基づく投機の対象化や、実質的経営者が分からなくなることなどにつながる恐れがある。資金調達の方策は、法人の要件とは分けて論議すべきである。
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2021年02月24日

古村比呂さん(女優) 闘病で知ったありがたみ
私は子宮頸がんの手術をしました。再発後には抗がん剤での治療を受けました。食べ物についての一番の思い出は、その2回の闘病時に感じたことです。
最初は2012年の摘出手術の時です。
術後3日目に、初めて重湯が出ました。それまでずっと点滴でしたから、久しぶりに口から食べ物を入れたわけです。
口で味わう感動
一口目をいただいたら、汗が出てきたんです。全身の毛穴から汗が。そんな経験は初めてだったので、とても驚きました。口から物を入れるということのすごさをまじまじと知ったんですね。細胞が動き出した、細胞が喜んでいる。そのように感じました。
2回目は、5年後。再発したので、抗がん治療を始めました。
そうしたら、食べるということに喜びを得られなくなってしまったんです。料理の味が感じられない。そのため、気分がなえてしまいました。食事というよりも餌を食べているような感覚になってしまったんです。
そんな時期に、息子が玄米かゆを作ってくれました。それがすごくおいしくって。
それまで料理なんて作らなかった息子が作ってくれた。それに対するありがたさもあるんでしょうけど、すごくおいしかったことが忘れられません。
息子も必死だったんでしょうね。けっこう手の込んだかゆで、まるで白い汁のようでした。息子は、私がそれを飲む様子を見ていませんが、「おいしかったよ」と伝えたら「よかった」とものすごくホッとしたように答えました。
抗がん治療を終え、今では普通になんでもおいしく食べられるようになりました。
この二つの経験の後では、食べ物をいただくということに対する感覚が全然違いますね。口から物を食べられるありがたさを知り、食べ物で体ができているんだということを実感したので、感謝の気持ちが強くなりました。
食べ物は、嗜好(しこう)品になりがちのところもあるじゃないですか。欲しいときにすぐに手に入るものだし、好き嫌いを言って構わないものだと。私も病気になる前は、ありがたみを感じずに食べていたと思います。
粗末にできない
今では食べ物を粗末にするのはとても失礼だと感じます。食べ物でいろんな人たちとつながっている。そういう思いが出てきましたね。生産や流通に関わる皆さんのおかげで、私の体がつくられているんだ、と。皆さんはどういう思いで頑張ってくれているんだろうと、バックグラウンドやドラマを想像しながらいただきます。
私は北海道の過疎地で育ちました。同居していた祖父母は、最初はその土地で自給自足のような生活をしていたそうです。私が育った頃でも野菜を作っていましたし、毎朝、近くの農家さんから牛乳を買っていました。
20歳になる年に上京して、芸能活動を始めました。
田舎者としては、東京の食べ物が珍しくて、外食ばかりしていたんです。そうしたら1週間で調子が悪くなったんです。体に発疹が出ました。きっと体がびっくりしたんでしょうね。いったい何を食べているんだ、と。
そこで、自分で作るようにしました。最初に作ったのは、肉じゃがと豚汁。それを食べた時のほっとした感覚を覚えています。やっぱり食べ物が、私たちの体をつくっているんですよね。(聞き手=菊地武顕)
こむら・ひろ 1965年北海道生まれ。85年の映画「童貞物語」の主演でデビュー。87年のNHK朝の連ドラ「チョッちゃん」でヒロインを務めて、人気女優に。子宮頸がん、リンパ浮腫との闘病を経験。同じように病気で苦しむ女性たちを支援する「HIRAKU」プロジェクトを展開している。
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2021年02月20日
農政の新着記事
米作付け意向 28都道府県 前年並み 農相「一層の転換必要」
農水省は26日、2021年産主食用米の作付け意向の第1回調査結果を発表した。1月末現在で28都道府県が前年並み傾向、19府県が減少傾向を見込み、増加傾向の県はなかった。21年産米の需給均衡には過去最大規模の転作拡大が必要だが、一部の米主産地は前年並み傾向。野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で「需要に応じた生産の実現には、より一層の作付け転換の推進が必要な状況だ」と訴えた。
20年の作付面積との比較で、同省が都道府県や地域の農業再生協議会に聞き取ってまとめた。……
2021年02月27日

[米のミライ](3) 複数年契約 価格変動リスク回避 実需にもメリット JAあいち経済連
JAあいち経済連は、県内JAと協力して、県産銘柄米「あいちのかおり」の5年間の固定価格長期契約取引を推進している。農家は米価の変動リスクを抑えて収入を確保、実需者は業務用米の調達コストを平準化でき、共に経営の安定化につながる。新型コロナウイルスの影響で米需要が見通しにくい中、生産・消費双方から改めて注目が集まっている。
契約期間は2018~22年産の5年間。……
2021年02月27日

米需給緩和 強い懸念 JA外へ働き掛けを 自民政策検討委
自民党は26日、農業基本政策検討委員会(小野寺五典委員長)を開き、2021年産米の需給対策について議論した。議員からは需給緩和や価格下落への懸念が噴出。JAグループ以外の転作推進に向け、行政の対応を求める意見が目立った。20年度第3次補正予算と21年度当初予算案で計3400億円を計上した転作支援策が活用されるよう、現場への浸透を訴える声も相次いだ。
小野寺委員長は、同日公表された1月末時点での主食用米の作付け見通しでは価格下落の懸念があるとして、「危機感を持って対応しなければならない。本当に重要な時期だ」と述べた。……
2021年02月27日
21年産麦 供給過剰に 需要拡大が課題 農水省・食糧部会
農水省は26日、2021年産の国内産麦の需給状況を示した。小麦について、生産者の販売予定数量は86万4000トンで実需者の購入希望数量を5万トン以上上回る。大麦・裸麦でも販売予定数量が購入希望数量を上回る。国産麦は豊作傾向で余剰感が課題となっており、同日の食料・農業・農村政策審議会食糧部会では、国内麦の需要拡大が課題に挙がった。
小麦の販売予定数量が、購入希望数量を上回るのは6年ぶり。……
2021年02月27日
農水省、次官ら6人処分 減給3人 鶏卵大手と会食で
贈収賄事件で在宅起訴された吉川貴盛元農相と鶏卵生産大手「アキタフーズ」前代表の会食に農水省の幹部職員が同席していた問題で、同省は25日、枝元真徹事務次官ら6人に対し、減給1カ月などの処分を行った。調査の結果、利害関係者に当たるアキタフーズが費用を支払ったことを確認。利害関係者からの接待を禁じる国家公務員倫理規定に違反したと認定した。
野上浩太郎農相は責任を取り、閣僚給与の1カ月分を自主返納する。……
2021年02月26日
米需要喚起最優先に 転作財源確保も要望 自民水田議連
自民党の水田農業振興議員連盟(小野寺五典会長)は25日、2021年産米の需給緩和の懸念を受け、今後の対応方向について議論した。出席議員からは米の需要拡大に向け、輸出だけでなく、国内需要の喚起にも本腰を入れる必要があるとの声が改めて上がった。転作支援の財源確保が引き続き重要になるとの意見も相次いだ。
農水省によると、21年産米の需給均衡には、作況指数が100だった場合の20年産の生産量と比べ36万トン、面積換算で6万7000ヘクタール(5%)の減産が必要。需給と米価の安定に向け、作付面積を抑えられるか、「正念場」(野上浩太郎農相)を迎えている。
上月良祐氏は議連で、米の輸出拡大だけでは年間10万トンとされる主食用米の需要減少ペースに追い付かないとし、国内需要喚起の必要性を改めて提起した。「需要の落ちを抑えない限り、(水田農業には)未来がない」との危機感も示した。
進藤金日子氏は「安心感を与えないと、(生産者が)経営安定を図れない」と強調。今後も水田活用の直接支払交付金などの財源を確保することが重要だとし、財務省も含め「共通認識」にするべきとの考えを示した。
宮崎雅夫氏も、予算維持には国民理解が欠かせないとし、国土保全や食料安全保障への貢献といった農業の意義を説明する必要があると訴えた。
同日は、東京大学大学院の安藤光義教授が水田農業政策について講演した。転作助成金が水田の維持や規模拡大などを支えているとし、助成金の削減は「構造改革のはしごを外すことになりかねない」とした。
今後の水田農業について安藤教授は、コスト削減を基本に、輸出だけでなく国内需要拡大を進めるべきだと指摘した。低所得者への提供など、政府備蓄米の活用方法の拡大も検討課題に挙げた。
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2021年02月26日
農作業安全検討会の初会合 農機対策待ったなし 農水省
農水省は25日、農作業事故防止の取り組みを強化するため、関係団体を集めて対策を議論する「農作業安全検討会」の初会合をオンラインで開いた。特に死亡事故の多い農機が焦点の一つで、安全対策のルール化や安全性検査について、既存の仕組みの見直しも視野に話し合う。農家側の意識向上も柱とする。4月までに3回の検討会を開いた後、具体的な対策に向けた中間取りまとめをする。
農業団体や業界団体、識者らが集まり、農水省が現状を報告した。報告では、……
2021年02月26日
農業の豪雨対策強化 ハザードマップ作成へ 福岡県
福岡県は2020年の7月豪雨をはじめ、県内で4年間連続して豪雨災害が発生したことを受け、農業の減災対策に本腰を入れる。降雨による浸水想定区域や農業被害予測を地図に「見える化」し、関係市町やJAと情報を共有。水害リスクが低い地区に農業用ハウスを移転する際に経費を助成するなど、全国でも珍しい取り組みを進める。
21年度予算 ハウス移転費助成
続発した豪雨災害では特に、河川の氾濫で農業に大きな被害が出た。……
2021年02月25日

[米のミライ](2) 政策フル活用 飼料用軸に安定経営 10アール15万円めざす 青森県五所川原市豊心ファーム
転作の要となる飼料用米は、高収益を実現できるのか──。全国的に飼料用米の生産量が減少する中で、青森県五所川原市で大規模水田農業を展開する(有)豊心ファームは、飼料用米を基幹作物に位置付け、生産を拡大している。
同社の経営面積は水稲70ヘクタール、大豆50ヘクタール。……
2021年02月25日
今季狩猟期前半 鹿、イノシシ捕獲14%増 集中キャンペーン奏功
今シーズンの狩猟期の前半に当たる2020年秋から20年末までに、鹿とイノシシの捕獲頭数の合計が前年より14%増えたことが農水省の調査で分かった。20年度から始めた、重点地域を設定して捕獲への取り組みを強化する「集中捕獲キャンペーン」に一定の効果があったとみられる。鹿の捕獲数は全国的に増えたが、イノシシには地域差もある。対策を一層強化し、捕獲頭数を底上げできるかが課題になる。
半減目標へ強化課題
同省が20年秋の狩猟期開始から20年末までの鹿、イノシシの捕獲数を都道府県から聞き取った。……
2021年02月25日