新たな協同の胎動 デジタル経済対応急げ

 GAFA(ガーファ)に対抗する動きが協同組合の中から起ころうとしている。「プラットフォーム型協同組合主義」と呼ばれるものだ。進化する協同組合の最先端の動向を注視するとともに、まずJA組合員や役職員のインターネットへのリテラシー(知識や利用する能力)を高めなければならない。

 GAFAとは、米国のグーグル、アップル、フェースブック、アマゾンの4社を指す。情報技術を駆使して世界中から膨大な利益を上げ、世界時価総額ランキングの上位を占める。いずれも、商品の購入、情報収集、コミュニケーションを行うためのインターネット基盤を提供する「プラットフォーム・ビジネス」の雄である。

 この4社は確かに現代人の仕事や暮らしを便利にする一方で、利用者から「何を購入したか」「何に興味があるか」といった個人情報を蓄積し、「ビッグデータ」として活用する。近年は個人情報の流出や情報の占有、既存商店の廃業や市場の支配、さらには法人税逃れなどが問題視され、各国政府が規制の検討に入っている。

 世界の協同組合も欧米を中心にプラットフォーム・ビジネスと向かい合う動きが始まっている。協同組合は組合員の望みを基に事業を興し、組合員が利用する点に特徴がある。インターネット経済社会が広く浸透した今、プラットフォームビジネスの協同組合化を通じて、巨大企業による利益の寡占化に対抗し、利用者に利益還元するべきだの考えには今日性がある。これが「プラットフォーム協同組合主義」と呼ばれる動きである。

 2017年の国際協同組合同盟(ICA)クアラルンプール総会では、米国や英国の呼び掛けで、プラットフォームを協同組合方式で所有する動きを支援する決議が行われた。米国では、「ツイッター」を利用者による協同組合で所有しようという動きが起こっている。

 日本でも世界の潮流に呼応し、新しい動きが出るか注目される。こうした今日的な挑戦を前に、JAグループはどう対処すべきか。「インターネットは不得手なので」と傍観するのは、望ましい態度ではあるまい。まずは、スマートフォンやタブレットなどの機器やサービスに関するグループ内の知識と利用能力を高めることが出発点だ。特に役職員に求められる。

 JA組合員は高齢者が多いからネットは使えないというのは、やらない口実にすぎない。仮に現在の高齢者がそうだったとしても、未来の高齢者はスマホもインターネット交流サイト(SNS)も使いこなすと考えた方がよい。組合員との日頃のコミュニケーション不足に悩むJAは多いが、なおのことSNSなどを使った交流の仕組みに力を入れるべきだ。

 各地で少しずつ増えているが、スマホ教室などを組合員教育に積極的に取り入れるべきである。ニーズは多いはずだ。 
 

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