[未来人材] 29歳。アジア、全国巡り農業学ぶ 法人核に地域活性化 青木拓也さん 新潟県南魚沼市

アジアや全国各地を巡り就農を決意した青木さん(新潟県南魚沼市で)

 新潟県南魚沼市で水稲やスイカなどを栽培する青木拓也さん(29)は、アジアや日本全国の農村を訪ねた経験を基に、農業を切り口とした地域活性化に情熱を燃やす。地域の農家らと立ち上げた「ひらくの里ファーム(株)」では、メンバーの中で最年少の青木さんが代表取締役を務める。高齢化が進む古里の未来を切り開こうと、「地域で人や仕事が回る環境づくり」を目指す。

 東京農業大学に在学中、途上国の農業を研究していた青木さん。「飢餓や貧困に苦しむ人たちを救いたい」という思いを胸に、タイやバングラディシュの農村を訪れた。ところが、現地の農家から日本の農業について尋ねられても、何も答えられない自分の未熟さを痛感した。

 帰国した青木さんは、日本の農業を知るために北海道から沖縄まで全国20カ所を巡り、農家に話を聞いて回った。中でも過疎化が深刻な静岡県島田市伊久身地区で、加工体験などで地域活性化に取り組む農事組合法人いくみの活動に感銘を受けた。

 その体験から「仕事をつくり、人が住めるようにしていかなければ地域は生き残れない」と気付いた青木さん。古里に戻り農家になることを決意した。

 卒業後、2014年に就農し、17年に法人化。構成員は18人で、多くが60代の兼業農家だ。現在、水稲22ヘクタール、スイカ60アール、カリフラワー30アールを栽培する他、水稲9ヘクタールで作業受託する。

 地域の雇用の受け皿としての体制整備も進める。19年10月には日本版農業生産工程管理(JGAP)を取得。作業内容をルール化することで、農業経験がない若者でも作業内容が把握しやすくなる。

 法人が経営する直売所では、スイカを中心に近隣農家の農産物を販売。収穫体験を受け入れ、地域のイメージアップにつなげるとともに、夏にスイカ祭りを催して地域住民らと交流する。

 農業による地域の活性化に取り組む青木さんだが、途上国支援の夢を忘れたわけではない。「途上国の研修生を受け入れるなど、いずれ何らかの形で手助けができれば」と夢を語る。(雫石征太郎)
 

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