18年農業総産出額 4年ぶり減 9・1兆円 野菜、豚で価格下落

 2018年の農業総産出額が前年比2・4%(2184億円)減の9兆558億円となったことが15日、農水省の調査で分かった。15年以降、3年連続で前年を上回っていたが、4年ぶりに減少した。米や肉用牛などの産出額は増えたが、野菜や豚、鶏卵での価格下落が影響した。生産量が減ったり、伸び悩んだ品目もあり、生産基盤をどう強化するかが改めて課題として浮かび上がった。

 総産出額は、1984年の11兆7000億円をピークに減少。97年に10兆円を割り込み、2001年以降は8兆円台。近年は3年連続で増え、9兆円台だったが、18年は前年を下回った。

 品目別で見ると、米は前年比0・3%(59億円)増の1兆7416億円。同省は需要に応じた米生産で「業務用などの販路開拓が進み、低価格帯を中心に価格が上昇した」とみる。半面、収穫量は778万トンで最近10年間で最も少なかった。

 肉用牛は、4・2%(307億円)増の7619億円。乳用牛への和牛受精卵移植の広がりや畜産クラスター事業で和牛の飼養頭数が増加に転じたことが追い風となった。ただ、肉用牛のと畜頭数は105万頭。最近3年間の中では同じ水準のままだった。

 一方、野菜は前年比5・3%(1296億円)減の2兆3212億円。根菜類が前年の価格高騰から一転、低下したことが影響。野菜全体の生産量は1131万トン。減少に歯止めがかかっておらず、最近10年間で最も少なかった。

 6年連続で前年を上回っていた果実は前年比0・5%(44億円)減の8406億円。生育期間中の天候不順で梨やキウイフルーツなどの生産量が減少。全体の生産量は前年とほぼ同じ283万トンだった。

 豚は、前年比6・7%(432億円)減の6062億円。と畜頭数は1643万頭。最近3年間で目立った変化はなかったが、同省によると10月以降の価格低迷が響いた。

 都道府県別は、北海道が1位。鹿児島、茨城、千葉、宮崎が続いた。前年を上回ったのは長野や青森など9県にとどまった。

 生産農業所得も減少に転じ、前年比7・3%(2743億円)減の3兆4873億円。農業総産出額の減少に加え、原油価格の上昇などが影響した。

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