全農 広域集出荷施設を拡大 青果物一手に 全国32カ所販売代行も 効率化、JA収益増に貢献

全農の広域集出荷施設の一つ、イチゴを集出荷する全農ふくれんの県南VFステーション(福岡県広川町で)

 JA全農が、複数JAをまたぐ広域の農家の青果物を一手に集めて販売する「広域集出荷施設」の設置を増やしている。JA単独で集出荷場の更新や新設が難しくなる中、全農が広域をカバーする施設を整備し、効率を高めて運営。量を生かした販売や出荷準備の代行などで、農家収益の安定・向上につなげる。各地の品目や立地に応じて2019年度までに全国32カ所に設置。JAの経済事業支援の一環でも重視する。

 広域集出荷施設は、全農園芸分野の生産基盤の維持・拡大策の柱。全農の3カ年計画にも盛り込む。近年も17年度に2カ所、18年度は4カ所、19年度2カ所を新設。全農の施設で集出荷を行い、JAは出向く営農指導に注力することで産地振興も狙う。

 施設を通じて販売強化につなげる。広域から集まるスケールメリットを生かし、市場や実需者と有利な取引につなげる。包装設備を活用して柔軟な商品規格を作り、 直販に乗り出す施設もある。

 各地ではさまざまな施設が稼働する。JA全農えひめは、19年3月に特産のサトイモ「伊予美人」の広域集出荷場が稼働。主産地の4JAが利用し、系統共販率の拡大に取り組む。JA全農福島では今春、JAと共同運営する施設を設ける計画がある。

 JAの信用・共済事業の収益低下が見込まれる中、全国連はJAの営農経済事業の支援に乗り出している。広域集出荷施設の活用は、生産振興や販売強化とともに、JAの経済事業の収支改善にもつながる。

 全農園芸部統括課は「全農が責任を持って販売すれば、JAは産地振興に注力してもらえる。JAグループ内での新たな分業を探りたい」と説明する。
 

イチゴ選果~包装→販路開拓 農家 管理に注力、規模拡大 福岡・ふくれん県南VFステーション


 18年秋に稼働したJA全農ふくれんの県南VFステーション。ふくおか八女、くるめ、みづまの3JAのイチゴ農家25人が利用する集出荷施設だ。ばらで持ち込まれたイチゴを選果、選別、包装する。販売先は全農ふくれんが開拓し、スーパーから要望のある少量パックやばら販売など、施設を生かした提案・販売に取り組んでいる。

 時間のかかるイチゴの包装は、農家の省力化につながる。包装施設の利用を希望する農家が多くても、施設を持たないJAもある。ステーションはこうした農家の受け皿になった。

 久留米市で妻、息子夫妻とイチゴ37アールを栽培する末安浩士さん(54)は、地元に包装施設がなく、ステーションの利用を始めた。「パック詰めから解放されて、管理に時間をかけられる。栽培面積も10アール増やした。利用料はかかるが、規模拡大や単位収量の増で所得は増えた」と利点を説明する。
 

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