東南アジア干ばつ 米の国際相場が急騰

ベトナム、2万ヘクタールで塩害 タイ、作付け3割減


 米の国際相場が上昇し、2018年5月以来の最高水準を維持している。干ばつの影響で、主力産地の東南アジアで大幅な減産が見込まれるからだ。メコン川の水位低下で、ベトナムでは2万ヘクタール近い塩害が生じている。
 
 世界銀行によると、くず米含有量5%の米のタイ・バンコクの1月の平均輸出価格(FOB=本船渡し価格)は、1トン451ドル(約5万円)と、18年5月以来の最高値を更新した。タイなどの干ばつが影響した。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)食料安全保障システム(AFSIS)の発表では、東南アジア地域の乾期米が、昨年の雨期後半の降雨量の減少で必要な水が確保できず、作付けを見送った水田が多いことが分かった。特にタイの作付けは例年の3分の2にとどまり、ミャンマーでも同4分の3となった。また、生育中の米も水不足で粒重が減り、大幅な減産が見込まれる。

 カンボジアでも多くの地域で干ばつが進み、生産量減少が必至とみられる。主に西部で枯死が目立つ。同国では、乾期米栽培は雨期中の残り水を使うのが一般的だ。しかし、今年は雨期にもかかわらず降水量が少なく、断水状態が続いている。

 一方、メコン川と南シナ海をつなぐベトナム南部の海水逆流が広範囲に発生し、農産物に深刻な塩害が生じている。降雨量の減少でメコン川の水位が低下し、海水が川に逆流した。2月末時点で、メコンデルタ地域10州の約1万8000ヘクタールが塩害を受けた。各州政府は盛り土で海水進入を防ぐ一方、トラックで水田に給水するなどの対策をしている。

 乾期米の栽培の多いタイ中央部のスパンプリー県の降水量データからも水不足の厳しさがうかがえる。日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、同県の雨期である9、10月の降水量は、123・1ミリと平年の3分の1と少ない。乾期(11~2月)は6・1ミリで、平年の6分の1にも満たない。

 国際食糧農業機関(FAO)は、19/20年産の世界の米生産量は、5億1200万トンと前年度に比べ0・5%減る半面、消費量は、前年度に比べ1・3%増の5億1600万トンと見込む。そのため、米の国際相場は今後も上昇しそうだ。

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