[未来人材] 36歳。魚沼コシ守り「謎の焼き芋屋」に挑戦 6次化で地域に新風 新潟県南魚沼市 笠原大輔さん

魚沼産「コシヒカリ」を守りながら新しい感覚で一歩を踏み出す笠原さん(新潟県南魚沼市で)

 新潟県南魚沼市の笠原大輔さん(36)は、南魚沼産「コシヒカリ」の生産・販売に加え、サツマイモの6次産業化に情熱を燃やす。2018年にUターン就農すると同時に、農業生産法人「Qzaemon(久左衛門)」を設立。「ビジネスとして農業経営を安定させたい」と明確な目標を掲げる。冬は“謎の焼き芋屋”として人気を集め、「コシヒカリ、酒、雪」のイメージが強い魚沼地域に、新たな風を吹き込む。

 Uターン就農して3年目を迎え、水稲の面積は9ヘクタールと当初の3倍に増えた。全て魚沼産「コシヒカリ」として販売する。サツマイモは10アール当たり約4トン収穫。その後、もみ殻の中で追熟させている。

 兼業農家の長男として跡を継ぐ予定だったが、東京都の不動産関連企業に就職し、全国各地で営業していた。就農した現在も、前職での経験を生かし不動産事業のコンサルティング相談を受ける。

 笠原さんの最初のチャレンジは、焼き芋の“体当たり販売”だ。豪雪だった2018年12月下旬、国道沿いにテントとドラム缶を改良した焼き芋窯を置き、「謎の焼き芋屋」として出店した。石でじっくりと焼き上げた焼き芋は人気を呼び、インターネット交流サイト(SNS)で拡散したという。

 続いて干し芋の商品開発にも着手した。品種は「紅はるか」で、ねっとりし過ぎず食感を残すのがこだわりだ。手探りの取り組みだったが、サツマイモブームに乗り、ファンの支持を集めてきた。笠原さんは「南魚沼産サツマイモを地域の人にも作ってもらい、特産品に育て雇用を創出したい」と力を込める。

 19年には、新規就農者グループの「うおぬま未来農人(みらいのーと)」を結成し、その代表を務める。地域の仲間でつくるメンバー7人は平均年齢29歳。県南魚沼地域振興局やJAみなみ魚沼の後押しを受けながら、次世代の農業を担う活動を続ける。具体的には、市内の北里大学の保健衛生専門学院とのサツマイモ栽培体験や、スイーツ提案などに取り組む。笠原さんは「次は米あめの甘味料を原料にした商品を開発したい」と意欲を示している。
 

農のひととき


 地元に帰り、価値観が変わってきた。食べ物を作る中で、周囲から「ありがとう」と言われるとうれしい。南魚沼の自然に感謝し、農業をライフワークにする。30代のうちにやりたいことがたくさんあり、「もっと前に進みたい。地域で認めてもらえるよう積極的に行動していきたい」。
 

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