[新型コロナ] 人手不足の野菜産地 観光業と連携 長野・JA佐久浅間へ星野リゾート従業員

ブロッコリーの選果作業に汗を流す星野リゾートの従業員(長野県御代田町で)

 今春、新型コロナウイルスの影響で多くの外国人技能実習生が来日できず各地で人手不足になっている。長野県のJA佐久浅間ではリゾートホテルなどを展開する星野リゾートの人材受け入れを始めた。仕事量が減少している観光業の同社と、人手不足のJAの選果場や産地が、課題を乗り越えようと連携を進める。
 
 軽井沢町で「星のや軽井沢」など3カ所の宿泊施設やレストランなどを運営している同社の軽井沢星野事業所がJAに提案した。4月の緊急事態宣言以降、観光需要が減少。事業所でも4、5月の売り上げが例年の4分の1ほどに落ち込むなどの影響が出た。従業員の業務量が減少し、仕事の確保が課題となった。

 JAも人手不足が課題だった。JAは県内1位の生産量を誇るブロッコリーの産地。消費が伸びていることもあり、2020年度は、19年度実績の101万ケース(1ケース4キロ換算)を上回る106万ケースの出荷を目指している。だが、出荷ピークの6月下旬から7月中旬になると、共選所の人員が足りなくなった。

 取り組みでは同社の希望社員約30人が副業の形式で、JAの共選所2カ所で働く。

 産地強化のため、今年から新たに稼働を始めた御代田町の共選所では、同社の従業員18人がローテーションを組み、1日当たり5人ほどが出勤する。同社調理スタッフの小林正浩さん(45)は「ブロッコリーの大きさだけでなく色みなども考慮して選果することが分かり勉強になる」とした上で、「食材の物語や安全・安心を消費者に伝えることができるのでレストランで提供する商品力が上がる」と実感する。

 JAあさま東部営農センター小沼事務所の横田信夫所長は「新たな共選所ということもあり、初動の人集めが軌道に乗れるかが大きなポイントだった。普段から接客をしているので、協調性もあり意欲的に働いてくれて大助かりだ」と評価する。

 この他にも管内の4戸の農家で、12人がブロッコリーの収穫作業をする予定だ。同社では従業員が選果、収穫したブロッコリーをJAから6月中をめどに仕入れ、レストランで出す夏場のメニューに使う予定。また収穫した野菜を店舗で販売することも検討中だ。

 JA野菜課の清水浩文課長は「労働力不足の課題を乗り越えるだけでなく、農と観光の連携で農産物の消費につなげたい」と期待する。
 

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