[宮城・JA新みやぎ移動編集局] 泥出し、ごみ撤去…農家と二人三脚 台風19号から復興へ

トマトを収穫する千葉代表(宮城県大崎市で)

 記録的な豪雨で甚大な農業被害をもたらした昨年10月の台風19号。東日本を中心に河川の氾濫や堤防の決壊が相次ぎ、広範囲で農地、農作物の被害が発生した。JA新みやぎは大型施設や園芸ハウスが被害に遭った。各地区本部は被災地に支援隊を派遣し、農地の泥出し、ごみの撤去など復旧作業に当たり、融資や緊急支援事業の案内に奔走。完全復旧に向けて農家と二人三脚で歩みを進める。

 同JAみどりの地区本部は園芸作物約30ヘクタールの被害を受けた。「人手があって助かった。離農が頭をよぎったが、支援のおかげで出荷再開までこぎ着けられた」と話すのは、宮城県大崎市で最大級のハウストマトを生産するマルセンファームの千葉卓也代表だ。

 堤防の決壊で高さ3メートルの濁流が押し寄せ、1・5ヘクタールのトマトが全滅した。栽培するのは同市のブランドで糖度7以上の「デリシャストマト」など。節水栽培と有機肥料にこだわり糖度を上げ、ふるさと納税の返礼品にも選ばれている。泥水に浸かったのは手間暇かけて大事に育てた、収穫目前のトマトだった。

 同地区本部は職員を派遣し、流れ込んだ稲わらの撤去や壊れたハウスを清掃した。千葉代表はJAや行政に相談し、支援事業の活用でハウスの建て替え、農機の買い替えを決意。1月に作付けし、4月に出荷を再開した。

 被害を受けたハウス6棟は1棟当たりの面積を拡大し、防災を強化して5棟にする。被災前170トンの収量は現在約50トン。「完全復旧まで道半ば」と千葉代表の表情は険しいが、新設するハウスの完成を目前に控え「来年には全面復旧できる見通し」と話す。

 同JAは災害に備えて予算を確保する他、各地区本部で防災のノウハウを蓄積し、迅速に対応する体制づくりを強化している。「災害で営農が途絶えることがないように、多方面で支援できる体制を整えていく」と、逆境の中でこそ“地域になくてはならないJA”として存在感を高めていく。
 

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