鳥インフル対策徹底を リーフ作成 農水省
2021年01月15日

養鶏農家に注意喚起するリーフレット
農水省は高病原性鳥インフルエンザの多発を受け、養鶏農家に注意喚起するリーフレットを作成した。今季は渡り鳥の飛来地の他、道路や公園、森などにもウイルスが多量に存在するとし、飼養衛生管理の徹底など、対策への意識を高めてもらうのが狙い。都道府県を通じて配布し、同省のホームページなども活用して周知する。
今季は昨年11月以降、過去最多の15県36例の高病原性鳥インフルエンザの発生を確認し、殺処分羽数は合計で約600万羽に上る。また死亡野鳥や、池・ダム湖の水など10道県27件の環境試料からも高病原性のウイルスが検出されている。
リーフレットでは、今季は「多量に鳥インフルエンザウイルスがあちこちに存在」すると指摘した。特にハヤブサやフクロウの死亡個体からもウイルスを検出。鳥や小動物を捕食する猛禽(もうきん)類の感染は、環境中のウイルス濃度が高まっている指標になるという。また、今季のウイルスは感染してから死亡するまでの期間が長い傾向がある。リーフレットでは養鶏農家が早期発見できるよう症状も紹介。とさかのチアノーゼや顔面の浮腫性腫脹(しゅちょう)、突然死などを写真で示した。
対策では、ウイルスを農場内に入れないことを強調。手指消毒や車両消毒、防鳥ネットの管理など全従業員による飼養衛生管理の徹底を促した。同省は「国の支援も活用し、防疫対策をより強化してほしい」(動物衛生課)と話す。
今季は昨年11月以降、過去最多の15県36例の高病原性鳥インフルエンザの発生を確認し、殺処分羽数は合計で約600万羽に上る。また死亡野鳥や、池・ダム湖の水など10道県27件の環境試料からも高病原性のウイルスが検出されている。
リーフレットでは、今季は「多量に鳥インフルエンザウイルスがあちこちに存在」すると指摘した。特にハヤブサやフクロウの死亡個体からもウイルスを検出。鳥や小動物を捕食する猛禽(もうきん)類の感染は、環境中のウイルス濃度が高まっている指標になるという。また、今季のウイルスは感染してから死亡するまでの期間が長い傾向がある。リーフレットでは養鶏農家が早期発見できるよう症状も紹介。とさかのチアノーゼや顔面の浮腫性腫脹(しゅちょう)、突然死などを写真で示した。
対策では、ウイルスを農場内に入れないことを強調。手指消毒や車両消毒、防鳥ネットの管理など全従業員による飼養衛生管理の徹底を促した。同省は「国の支援も活用し、防疫対策をより強化してほしい」(動物衛生課)と話す。
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[米のミライ](6)加工用米 産地と地元実需 協力 活用の裾野広げる 新潟、熊本県
「パンやカップ麺のように、手軽に食べてもらえる商品にしたい」。JA熊本経済連は、県産の加工用米を使った冷凍米飯を売り込む。ご飯を炊く手間から国内の精米消費量が落ち込む中でも、電子レンジで調理できる商品ならば、消費者の簡便ニーズに応えられると商機をみる。
2009年から冷凍米飯事業に乗り出し、現在の「熊本県産こだわり炒飯」は、焼き豚やニンジンなど県産品の利用にこだわった5種類を展開。……
2021年03月04日

ブドウ収穫量 最低 20年産 5%減、16万トンに
2020年産のブドウの収穫量が16万3400トンとなり、前年産より9300トン(5%)減ったことが農水省の調査で分かった。1973年の統計開始以降、最も少ない。主産地の山梨県や岡山県での天候不順などが響いた。果実を収穫するために実らせた結果樹面積は、ほぼ前年並みの1万6500ヘクタールだった。
10アール当たり収量は前年産に比べ50キロ少ない990キロで、11年産(970キロ)に次いで過去2番目に少なかった。収穫量が全国1位の山梨県と同4位の岡山県で、7月の日照不足、8月の高温少雨で果粒の軟化や肥大不良が発生。山梨県でべと病や晩腐病などが発生したことも影響した。
収穫量は13年産から8年連続で減少。農家の高齢化などで、生産基盤の弱体化に歯止めがかかっていない。同省は、昨年改定した果樹農業振興基本方針で、ブドウを含む果樹の生産基盤強化に向け、生産性の向上が見込める省力樹形の導入を推進する方針を掲げた。
21年度予算案には、ブドウの改植で根域制限栽培を導入する場合に10アール当たり100万円を助成するなど果樹支援対策に51億円を計上している。
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2021年03月01日

[活写] カスミソウ 収束願って、幸せ誓って
婚礼で使われるはずだった高品質の花を活用しよう──。東京駅のイベントスペース「スクエアゼロ」に2月26、27の両日、熊本産などの宿根カスミソウ3000本を使った展示が登場した。バージンロードを意識した配置で、花を天井に向かってアーチ状にし、式場の雰囲気を演出した。
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デザインと装飾を担当したフラワーアーティストの中川聖久さんは「未来の婚礼を思い浮かべたり、過ぎ去りし婚礼を懐かしんだりしてほしい」と話す。
協議会は2020年度補正予算の「公共施設等における花きの活用拡大支援事業」を利用し、展示を行っている。
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2021年03月01日
農政の新着記事
規制会議議論始まる 准組利用「組合員の判断」 農水省が方向性表明
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)は5日、改正農協法施行5年後の見直しに向けた議論を始めた。農水省やJA全中などから意見を聴取。同省は今後の検討の方向性として、JA准組合員の事業利用については「組合員の判断に基づく」との考えを示した。WG側は、農家所得増大に向けたJAの自己改革の成果を詳細に示すよう求め、数値目標による進捗(しんちょく)管理の必要性も指摘した。
WG 所得増「数値目標を」
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次ページに農水省が示した農協改革の検討方向の表があります
2021年03月06日
有機農業 50年に100万ヘクタール 新戦略中間案 環境負荷軽減へ 農水省
農水省は5日、環境負荷の軽減と農業生産力向上の両立を目指す中長期的な政策方針「みどりの食料システム戦略」の中間取りまとめ案を公表した。2050年までに①化学農薬の使用量半減②化学肥料の使用量3割減③有機農業を全農地の25%に拡大──といった意欲的な数値目標を提示。技術革新や農家・消費者らの理解などを前提とし、生産体系を大きく転換する方針を打ち出した。
次ページに新戦略のポイントの表があります
2021年03月06日
食料安保など重点に 中国の全人代が開幕
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)は5日、北京で開幕された。2021年からの14次5カ年計画に加え、35年までの長期目標も議論し、食料安全保障などを柱に政策を定める見通しだ。食料安全保障では、種子と耕地が重要と強調。種子の遺伝資源の保護や優良品種の選抜、普及を強化し、農家支援も拡大する。……
2021年03月06日
農地所有適格法人 現行要件 「支障」2割 規制会議に調査示す 農水省
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)は5日、農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、農水省に意見を聞いた。同省は、現行要件では資金調達などに「支障がある」とする法人が約2割だったとの調査結果を提示。農業関係者が今後も経営権を確保する必要性を示しつつ、一定の条件下で出資による資金調達の在り方についても検討する必要があるとの考えを示した。
同会議は、「農業者の資金調達の円滑化」を名目に、同法人の議決権要件緩和に関心を示す。……
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2021年03月06日

[米のミライ](7) 消費拡大 米卸・ミツハシ 「ご飯食=健康」発信 アスリートに照準
米の消費減少の要因の一つが、「米は太る」といった健康に関するマイナスイメージだ。しかし、米は健康的な体づくりには欠かせない食べ物。スポーツ選手をターゲットとし、米を売り込む動きが出てきた。
米卸のミツハシ(横浜市)は、大学の運動部などスポーツチーム向けの米飯宅配事業を2019年から始めた。運動前後に不足する栄養を補う「補食」に、米の需要を見いだしたためだ。……
2021年03月05日
広域捕獲 国が支援 鳥獣特措法改正で骨子案
自民党が議員立法に向けて検討している鳥獣被害防止特別措置法改正案の骨子案が4日、判明した。都道府県が市町村の枠を超えて広域的に捕獲を進める際に、国が財政支援を行うことを明記。猟銃所持許可を更新する際に必要な技能講習の免除特例の延長や、捕獲した鳥獣の有効利用の促進強化も盛り込んだ。
特措法は2007年に議員立法で成立し、今国会で4回目の改正を目指している。……
次ページに骨子案のポイントの表があります
2021年03月05日

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2021年03月04日

[米のミライ](5) 地産地消 生産者自ら積極PR 官民連携で手応え 北海道深川市 ふかがわまい生産組合
米の消費量が落ち込む中、各主産地が販路拡大を模索する。北海道は、府県産米から北海道米への消費の切り替えを進める「米チェン!」運動など、地産地消を強力に展開してきた。現在、道民の9割近くが地元の米を食べている。
ふかがわまい生産組合は、JAきたそらちや深川市と連携し、生産者自らが米の営業活動に力を入れる。減農薬・特別栽培の「ゆめぴりか」「ななつぼし」「ふっくりんこ」の地産地消を推進。「産地一丸で深川産の米をPRしよう」と、2019年9月に水稲農家の統一組合を設立した。……
2021年03月03日

[震災10年 復興の先へ] 「戻らない」5割 避難先での生活定着 復興庁など 福島県4町住民意向調査
東京電力福島第1原子力発電所事故の影響を受ける双葉、大熊、富岡、浪江4町の住民のうち、避難先から「戻らない」と考える人が5割を占めることが復興庁などの2020年度調査で分かった。19年度と比べて4町とも帰還した住民は増えているが、戻らない人の割合の方が依然高い。既に避難先での生活が定着し、帰還しにくい人が多いことが背景にある。
「戻らない」の割合を町別にみると、双葉町が62・1%、大熊町が59・5%、富岡町が48・9%、浪江町が54・5%。いずれも19年度調査とほぼ同じ水準のまま変わっていない。
帰還しない理由は、富岡町では「既に生活基盤ができている」が最多の60・1%。大熊、浪江各町も同様に最多だった。双葉町も「避難先で自宅を購入し、今後も住む予定」がトップだった。避難生活が長期化する中、仕事が定着したり、友人が増えたりしたことで、元の町に戻るのを見合わせるケースは多い。
一方、4町とも帰還するかどうか「まだ判断がつかない」が2割程度いた。帰還を判断するのに必要な条件として多く挙がったのが医療・介護施設の確保。「医療・介護の復旧時期のめど」が最多の56・8%だった浪江町を含め、各町とも同様の回答がトップだった。
避難指示が一部解除された大熊、富岡、浪江各町は、いずれも10%未満ながら「戻っている」との回答があった。最も高かったのは富岡町の9・2%で、前年度から1・7ポイント増えた。各町とも19年度を上回った。
帰還を決めた理由は「(帰還先の)生活は気持ちが安らぐ」が多く、浪江町は68・8%、富岡町は52・4%だった。大熊町は「役場機能が再開した」が最多の43・5%。故郷を思う気持ちに加えて、行政機関が機能していることが帰還の動機になっている。
今回の調査は4町に加えて、川俣町山木屋地区も対象。「戻っている」との回答は37・8%で、19年度調査と同様に一定数が帰還している。避難指示区域が解除されていることも影響しているとみられる。
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2021年03月03日
コロナ下販促支援 2次募集 7月末分まで対象に 農水省
農水省は、新型コロナウイルス禍で売り上げが2割以上落ち込んだ農産物の販売促進活動を支援する「国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業」の2次募集を行う。近く募集を始め、締め切りは4月上旬とする方針。4月中下旬から7月末までの取り組みを対象とする。
2020年度第3次補正予算で250億円を計上した事業だが、緊急事態宣言の再発令による影響なども踏まえ、21年度も支援することにした。……
2021年03月02日