雪害ネギ農家 仲間が救う SNSで販促 完売 富山
2021年01月20日

被害を受けたネギを手にする寺田社長。知人の支援を受け「前を向いて歩んでいきたい」と語る(富山県入善町で)
降り続いた大雪でビニールハウスが全半壊した入善町吉原の農業法人「(株)Stay gold てらだファーム」の力になろうと、知り合いの飲食店・酒店店主らが、被害を免れたネギの販売を支援した。インターネット交流サイト(SNS)で支援の輪を広げネギは完売。寺田晴美社長は「被害は大きかったが、新たな出会いもあった。前を向いて歩んでいきたい」と話す。
7日からの大雪は、県全域でハウスや畜舎など500棟超の被害を出した。……
7日からの大雪は、県全域でハウスや畜舎など500棟超の被害を出した。……
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西太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁から東へ160キロ、1954年3月1日午前9時ごろから漁船、第五福竜丸に白い粉が降り注いだ▼乗組員23人はその晩から目まいや吐き気などに襲われ、数日後にはやけどのような症状が。そして1週間後ぐらいから髪の毛が抜けるようになった。白い粉の正体は、同環礁での米国の水爆実験で粉々になったサンゴ。きのこ雲に吸い上げられ強い放射能を帯びた「死の灰」である。他にも多くの船が被ばくしたが、全容は分かっていない。死の灰は東京・夢の島公園の第五福竜丸展示館で見ることができる▼そこでは今、最初に亡くなった久保山愛吉さん(享年40)とその家族に宛てた子どもらの手紙を公開中だ。「ほんとうにおそろしいそしてにくいすいばくです」「せんそうも、しない すいそばくだんもいらない」。核兵器廃絶への願いをつづる▼それはいまだに実現していない。そればかりか核兵器禁止条約が発効しても、被爆国の日本は背を向けたままだ。当時小3だった久保山さんの長女の作文から。「あのじっけんさえなかったらこんなことにはならなかったのに。こんなおそろしいすいばくはもうつかわないことにきめてください」▼広島・長崎から76年、ビキニ事件から67年。核の悲劇を改めて心に刻みたい。
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2021年03月01日

榎本牧場チーズ 山口県岩国市
山口県岩国市の榎本牧場のチーズ工房の自家製チーズ。新鮮な生乳と塩だけを原料に粘りと滑らかさにこだわり「モッツァレラ」、サクランボ大に成型して小分けした「チェリー」、裂けるチーズの「ストリング」の3種類がある。循環型酪農で飼養する牛の搾りたての牛乳から作るチーズは味わい深く、癖がないので食べやすい。お勧めの食べ方は、「モッツァレラ」にトマトを合わせてオリーブオイルを掛けたカプレーゼ。
100グラム入り540円(チェリーは572円)。JA山口県の直売所FAM’Sキッチンいわくにで販売する。問い合わせは榎本牧場、(電)0827(74)0955。
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2021年02月25日

[米のミライ](4) 輸出 JAグループ茨城 外・中食から家庭狙う 本物志向に応える
JAグループ茨城は、米の輸出に力を入れ「JAグループ茨城米輸出協議会」を設立、輸出用米の集荷量をこの3年で3倍にした。地道に販路を開拓し、昨年はフィンランドのスーパーで売るすし向けにも広げた。海外で日本食が広まり、粘りや香りの良い日本米の需要が高まっていて、有望な市場として開拓を進める。輸出を通じた需給調整にも期待をかける。
JA全農いばらきは2月、初めて米の県オリジナル品種「ふくまる」の輸出を始めた。3月からシンガポールの日系スーパーで、家庭用精米の売り場に並ぶ予定だ。ターゲットは中所得層以上を見込む。
JA全農いばらき米穀総合課の並木誠也課長は……
2021年03月02日

乳幼児向けようかん発売 県産野菜ふんだんに 松山市の和菓子会社
松山市の薄墨羊羹(ようかん)が県内産野菜をふんだんに使った乳幼児向けようかん「おやおやようかん」を発売した。「とまと」「かぼちゃ」「ほうれん草」「紫いも」「みかん」の5種類。もなか皮で作った食べられるスプーンや、かわいい動物を描いたパッケージも楽しいおやつの時間を演出する。県内直営店とオンラインで販売している。……
2021年02月28日

「南農ナシ6号」育成 病害に強く高糖度 長野県
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県南信農業試験場が育成した。……
2021年02月24日
営農の新着記事
水流妨げるカワヒバリガイ対策 貯水池の落水や駆除剤が効果的 水生外来生物セミナーで報告 農研機構 茨城県
農研機構と茨城県は、水に住む外来生物の現状や対策を話し合うセミナーをオンラインで開いた。焦点を当てたのは、近年分布を広げ、農業用水路などで水流を妨げるカワヒバリガイ。貯水池の落水や駆除剤など、成果を上げつつある新技術を報告した。分布をこれ以上広げないためにも、駆除の実践は重要とした。
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2021年03月02日

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トマトの接ぎ木を自動化できるロボットで、接合に樹脂製のテープを使う新たな手法を農研機構などが開発した。従来のチューブやクリップと比べ資材費は半分以下になる。農研機構はテープで接合する接ぎ木ロボットは世界初とみており、作業能率は1時間当たり450~520本で手作業の2倍以上。今春をめどに発売する予定だ。……
2021年02月28日

東海桜 挿し木で生産期間短縮 岐阜県立国際園芸アカデミー2年 西村さん
岐阜県可児市の県立国際園芸アカデミー花き生産コース2年生、西村莉穂さんが、鉢植えで開花期が早い東海桜を挿し木し、生産期間を大幅に短縮させることに成功した。桜は実生苗や接ぎ木苗が使われることが多く、商品化までに数年かかる。ソメイヨシノより……
2021年02月26日
営農技術アイデア大賞 黒壁さん(北海道)に栄冠
日本農業新聞は24日、「営農技術アイデア大賞2020」の審査会をオンラインで開き、大賞に北海道新篠津村の黒壁聡さん(64)が考案した、水稲育苗箱の運搬器具「はこらく」を選んだ。自作した金属の枠で3、4枚重ねた育苗箱を挟み込み、まとめて持ち運ぶ仕組み。機械化できていなかった育苗箱の運搬に、効率化の道を開いた点が評価された。
黒壁さんは水稲農家でシーズンには約8000枚の育苗箱を使う。……
2021年02月25日

20年度全国農大校プロジェクト 大臣賞に田中さん(大阪)
全国農業大学校協議会は24日、2020年度全国農業大学校等プロジェクト発表会・意見発表会の結果を発表した。最高位の農水大臣賞には、大阪府立環境農林水産総合研究所農業大学校2年の田中麻綾さんの「『高齢者生きがいづくり』につながる、高齢者によるぶどう栽培方法の検討」が輝いた。
田中さんは生きがいを持った高齢者が減少する現代で花蕾(からい)から大きな房ができる喜びは心を豊かにするきっかけになると考えた。……
2021年02月25日
ジャガイモシロシスト 抵抗性品種「フリア」の効果確認 北海道の産地 21年度に本格導入へ 農研機構
ジャガイモの品種「フリア」が、難防除害虫のジャガイモシロシストセンチュウの土中密度を大幅に減らせることを、農研機構・北海道農業研究センターが確認した。2015年に同線虫が見つかり、今年2月時点でも道内468ヘクタールで発生している。産地のJAでは効果的な対策として21年度から本格導入を見込む他、同センターはさらに経済的に有望な品種開発を目指す。
2021年02月24日

ビールかすで大幅増収 黒大豆 最大5割 岡山市の若手農家グループ
岡山市の若手農業者クラブ「アグリドリームSETO」は、黒大豆の栽培でビールかすを施すと、慣行栽培に比べて10アール当たりの収量が最大で5割増えることを確かめた。化学肥料との組み合わせで生育が早まり、大粒の割合も増えた。土壌の養分バランスの改善で課題だった連作障害の対策にも期待する。
同クラブは同市東区瀬戸町の若手11人で構成する。地元のキリンビール岡山工場から出るビールかすを土づくりに活用し、2020年産に市の助成を受けて試験した。……
2021年02月24日

「南農ナシ6号」育成 病害に強く高糖度 長野県
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2021年02月24日
食品残さリサイクル飼料化 加熱新基準でセミナー 中央畜産会など
中央畜産会と全国食品リサイクル連合会は19日、食品残さでつくるエコフィードの製造業者や養豚農家に向けて「食品リサイクル飼料化セミナー」をオンラインで開いた。4月から加熱の新基準が施行されるのを前に、手続き面での注意点や、栄養成分変化などについて農水省や有識者らが説明した。
新基準では、生肉などが混入している可能性があるものについて「攪拌(かくはん)しながら90度、60分以上かこれと同等以上の加熱処理」が必要となる。……
2021年02月23日

酪農に欠かせぬパートナー ヘルパー確保へ環境改善 北海道で運動 全組合に就業規則整備
北海道で酪農ヘルパーが安心して働けるよう、労務管理の改善を呼び掛ける運動がスタートした。道内86の全ての酪農ヘルパー利用組合で就業規則を整備。酪農家の働き方改革や規模拡大に伴う人手不足対策につなげる。都府県でも酪農ヘルパーが逼迫(ひっぱく)する中、酪農ヘルパー全国協会は運動は全国のモデルになるとみている。(尾原浩子)
北海道酪農ヘルパー事業推進協議会が、職場のルールを明確にするため就業規則整備率100%運動を始めた。就業規則が既にある場合は、雇用実態や働き方改革に対応しているかの点検を実施。ない場合は就業規則を作成する。新型コロナウイルス禍でヘルパーの確保が難しくなったことを踏まえ、環境整備に乗り出した。
協議会によると、2019年8月時点で道内の酪農ヘルパーは832人。必要数に比べ156人足りない。働き方改革関連法のうち、有給休暇5日以上の取得は酪農ヘルパー利用組合にも適用されることも踏まえ、労働環境を改善してヘルパーの確保や定着につなげたい考えだ。
道内では酪農家1戸当たり年間平均23日、酪農ヘルパーを利用する。稲作や畑作などと比べ酪農家の労働時間は2倍以上で、酪農家の後継者対策にも酪農ヘルパーは欠かせない存在だ。
農水省は来年度、新たに待遇改善に取り組む組合を支援する「酪農経営安定化支援ヘルパー事業」を始める。協議会は事業を活用し、「酪農ヘルパーを職業の一つとしてPRしていく。地域を挙げて環境改善を進めたい」(事務局のJA北海道中央会)とする。
酪農ヘルパーの不足は道内だけでなく全国的な課題だ。酪農ヘルパー全国協会によると、ヘルパーは必要な人数に比べて2割程度足りない。就業規則の整備を呼び掛けているが、地域を挙げて整備を目指す運動は先進的という。
JAオホーツクはまなすが事務局の「酪農ヘルパー組合はまなす」は、就業規則を整備し、ボーナスなど給与体系も改善してきた。関東での就農フェアやハローワークなどで酪農ヘルパーを募集。現在、13人が100戸の酪農家で作業を担う。
20年ほど前は、冠婚葬祭や子どもの行事などで搾乳ができない場合、近所の酪農家の応援などで対応した。しかし、近年は1戸当たりの経営規模が拡大し、手伝う余裕がなくなってきている。
管内の滝上町で60頭を飼育する同組合の長屋辰之介組合長は「酪農家の一人一人が意識改革し、作業員ではなく、パートナーなんだと感謝するような受け入れをしたい」と話す。希望すれば就農も支援。「就農者や酪農ヘルパーがいると、次の移住者につながり好循環ができる」と見据える。
3年前から働き、大阪府八尾市から移住した酪農ヘルパーの瓦渚紗さん(23)は「就業規則が整備されていると安心して働ける。働く上では酪農家との意思疎通が一番大切。やりがいがある仕事だと、都会の人にも知ってほしい」と話す。
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2021年02月22日