都 市場の活性化を考える会 当事者は蚊帳の外 専門家 過度の自由化を危惧

 卸売市場の活性策を市場関係者抜きで決めていいのか――。東京都が「戦略的な市場運営」の在り方を議論しようと新設した検討会に、懐疑的な声が出ている。委員には、大手スーパーや経営コンサルティング会社が名を連ねる一方、市場関係者は1人もいない。都は会の意見を「最大限に活用」(都の設置趣旨)し、2020年度末までに中央卸売市場の経営計画を策定する。当事者不在の議論では民間参入など過度な自由化が進みかねないと、市場関係者の懸念がくすぶる。

 都は、経営計画に盛り込む方針に「戦略的な市場運営の推進」を掲げる。計画策定に当たって有識者の知見を最大限に活用するため、都は「市場の活性化を考える会」を今年7月に立ち上げた。流通・マーケティング問題に詳しい中央大学の木立真直教授が、座長を務める。

 委員は8人。大手スーパーのイオンの他、公的セクターの経営改革などを手掛けるEY新日本などコンサルティング会社も加わる。農林中金総合研究所など農業関係の有識者も名を連ねるが、卸売会社や仲卸会社など市場関係者は入っていない。

 7月の第1回会合に出席した小池百合子都知事は、市場の厳しい経営環境が問題視される中で、強固な財務基盤を確保する重要性を強調。民間経営手法の検討にも触れ、「さまざまな観点から長期的な視点に立って市場経営の在り方を検証することが必要」との考えを示した。10月にも会合を開き、2カ月に1度のペースで開催を予定する。

 「考える会」に対し、11月上旬の都卸売市場審議会では、市場関係者や都議から批判が出た。市場経営に関する事項について都知事に意見する役割を果たす審議会がある中で、新たな会議体を設けることを疑問視し、会での議論を審議会で報告するようくぎを刺す委員もいた。

 これに対し、都は「既成概念にとらわれない趣旨で設置した」と説明。「業界の意見を聞かないわけではない。幅広い意見を場合に応じて聞いていきたい」とも答えた。

 しかし、市場流通の専門家は「意見を聞くのと、その場で討議するのとは権限が全く違う」と反論。「当事者不在」と農業関係者から評判の悪かった政府の規制改革推進会議を引き合いに出し、「考える会の議論次第では、民間参入など、市場関係者の立場に十分な配慮がなされないまま、自由化を加速させかねない」と危惧する。
 

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