日米交渉で米国公聴会 「米、乳製品さらに開放を」

 米議会下院は20日(日本時間21日)、日米貿易協定に関する公聴会をワシントンで開いた。農業団体などの出席者や議員は、牛肉や豚肉で環太平洋連携協定(TPP)並みに関税を引き下げることを評価しつつ、米や乳製品の市場開放が不十分だと指摘。追加交渉の対象にするよう求める声が相次いだ。関税以外も含めた包括的な協定を求める意見も目立った。

 下院歳入委員会の貿易小委員会が公聴会の場となり、農業、自動車の団体やシンクタンクなどの代表者らが出席。同委員会は米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表ら交渉担当者にも出席を要請したが、応じなかった。

 TPPでは、日本は米に米国向け輸入枠を、バター・脱脂粉乳は米国を含む加盟国全体向けの輸入枠(ワイド枠)をそれぞれ設けた。だが日米協定では、これらは設定しなかった。

 一方、協定の合意に伴い、日米両首脳が9月に署名した共同声明では、協定の発効後、4カ月以内に予備協議を終え、追加交渉の範囲を決める方針を示した。

 オバマ政権でTPP交渉のUSTR首席農業交渉官を務めたベッター氏は「協定は全ての農産品をカバーできていない」と指摘。米やバター、脱脂粉乳などの市場開放を改めて求めた。

 米国最大の農業団体、ファーム・ビューロー幹部のボーニング氏も一層の市場開放への期待を表明。「(日米交渉で)米国が勝利したのは明らかだが、第2段階の交渉を追求すべきだ」と訴えた。

 全米自動車連盟(UAW)の幹部は、日本産自動車の対米輸出に有利になる通貨安誘導を防ぐ為替条項が含まれなかったことに不満を表明。輸入台数制限にも言及した。

 ライトハイザー代表らが出席しなかったことも踏まえ、交渉を巡る手続きについて議会との調整不足を批判する声も相次いだ。日米協定でトランプ政権は大統領の権限で可能な関税削減・撤廃にとどめ、議会承認を経ずに来年1月1日発効を目指している。

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