東京五輪 物流の対策急務 青果は週末に休市日

 東京五輪・パラリンピック競技大会の開催が半年後に迫る中、期間中の交通混雑で物流の混乱が懸念されている。東京都や関係省庁、業界が食品などの荷主企業に交通量規制への協力を呼び掛けているが、会場周辺の一般道などで目標に据える車両の交通量制限が達成できるか、不透明な状況だ。青果物流通では交通量分散を目的に休市日を週末にずらすことを決めたが、開市時間の変更など市場ごとのルール作りは具体的に進んでおらず、対応が急務だ。

 東京都と大会組織委員会は、大会時の交通量の抑制や分散、平準化のために企業や個人へ働き掛けを進めている。新宿区や港区など10の区内の268地区を、特に物流量の削減を求める「重点取組地区」に指定。大会期間の7月20日~8月10日と8月25日~9月6日の間、交通量の削減目標を、重点取組地区の一般道で30%、圏央道の内側で10%、首都高速道路では最大30%と設定した。

 しかし、昨年夏に一般道の一部や首都高速道路で行った2日間の規制実験では、交通量は一般道、首都高速道路のそれぞれで最大4%、7%の削減にとどまった。

 都は「荷主企業の協力がなくてはならない」とみて、大会組織委員会や農水省、経済産業省、国土交通省と11月に連名で荷主業者に協力を要請。①共同輸配送や複数荷主の物流拠点統合など交通量の抑制②柔軟な輸配送時間帯の設定や納品時間の夜間への変更など交通量の分散化・平準化――などを書面で求めた。

 都中央卸売市場では、青果物の取扱量1位の大田市場(大田区)、選手村や競技会場に近い豊洲市場(江東区)、食肉市場(品川区)の3市場が重点取組地区内にある。都はオリンピック期間中の青果市場休市日のうち、水曜日分を7月31日と8月7日の金曜日にずらすことを決めた。都の担当者は「金曜日の交通量が多い傾向があり、偏りを減らす狙いだ」という。

 ただ、具体的な物流改善に向けた取り組みは各市場の運営協議会などに委ねられており、具体的なルールづくりは進んでいない。市場関係者は「せりに参加する買い出し人のことを考えると、せり時間を早めるなど対応が必要かもしれないが、話し合いは進んでいない」と対応の遅れを指摘する。

 夏場が出荷最盛期に当たる産地からは困惑の声も聞こえる。東北地方のJAは「トラック業者との契約もあり、急に時間や輸送地点を変えることは困難。関心は高いが、どう対応すべきか不明だ」と困惑する。つまものなどを主力とするJAは「夏場の高温に耐えられるよう温度管理は徹底するが、道路混雑による延着を懸念している」と早期の対応を求める。

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