新型コロナ拡大 感染防止 警戒最大級で

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は第2次世界大戦以来の試練である。安易な楽観視は捨て、最大級の警戒が必要だ。感染拡大を抑える取り組みに官民共に全力を挙げるべきだ。

 新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)を引き起こし、勢いが止まらない。全世界の感染者と死者は急激な増加を続けている。欧米などは、日常生活が破壊される危機的な事態に追い込まれている。

 日本では、中国や欧米に比べ感染者の増加がなだらかだったことから危機感が高まらないとの指摘がある。自宅で仕事をするテレワークを呼び掛けても朝夕の通勤電車は混雑が続き、多くの人が集まるイベントも散見される。しかし、感染拡大の途上にあることを忘れてはならない。東京都の感染者数の急増を踏まえると、いつ爆発的に増えても不思議ではなく、事態は深刻化している。「感染爆発の重大局面」と訴えた小池百合子都知事の危機感を共有すべきだ。

 企業や農業、商店、飲食店などの経済活動は厳しい状況が続いている。しかし感染拡大を抑えるには移動や集まることの自粛が必要で、経済の停滞は避けられない。優先すべきは、短期間に重症患者が発生し、医療崩壊につながるような事態の回避である。

 一方で政府は、事業不振や生活苦に対する緊急支援を含め、大規模な経済対策を早急に実施すべきだ。農業では生産を急に減らせない品目も多い。休校やイベントの中止、外出の自粛などで売り先を失った農畜産物の需要喚起や補償、経営対策が不可欠だ。

 感染拡大を抑えることは、ウイルスに効果的なワクチン開発までの時間を稼ぐことでもある。世界中で開発を急いでいるが、1年以上かかるとみる研究者が多い。それまでいかに感染拡大を抑えていくかが重要だ。ドイツのメルケル首相も、ウイルス感染の拡大速度を落とし、ワクチン開発までの時間稼ぎをすることの大切さを訴えた。

 われわれにできることがある。きめ細かな手洗いや消毒、マスク使用に加え、「密閉空間、密集場所、密接場面」の「3密」を避けることだ。無症状でも感染するウイルスである。感染すると重篤になりやすい高齢者と接触する際は、より注意することだ。春休みを機会に里帰りなどで都市と地方を行き来する人もあろう。しかし農村では高齢世帯が多く、都市は感染リスクが高い。善意ある訪問でも感染拡大につながる恐れがある。電話やメール、テレビ電話などでのコミュニケーションに努めてはどうだろうか。

 この疫病との闘いは、長期戦が予想される。対応を間違えば、さらに悪化する。かつて世界的に大発生したスペイン風邪は3度の波があり、終息するまでに3年ほどかかった。延期された東京五輪・パラリンピックの火を消さないためにも、今が正念場である。

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