1938年創刊の赤版を皮切りに青版、黄色版、現在の新赤版と続いてきた

 1938年創刊の赤版を皮切りに青版、黄色版、現在の新赤版と続いてきた。思えば信号の“3色”と同じ。今は新たな赤、一度立ち止まる時か▼これらは、教養の糧であり希望の一灯である。言葉の大切さを説き、過去・現在・未来をつなぐ本とも言えよう。700ページを超す最新刊の『岩波新書解説総目録』は80年余りの同書の歩みそのもの。自宅本棚を探すと50冊余り。解説目録を見ながら忘れ難い本をいくつか▼まず『知的生産の技術』。作者の梅棹忠夫は生誕100年を迎え同著は100刷のベストセラー。数年ぶりに手に取ってみた。よほど読み込んだのか、至る所に線が引かれ付箋が20もある。知的生産の本格的な実践書で、後に京大式カードに結実する。小欄のネタ探しに同著から学んだヒントは数多い▼繰り返し読むのが『日本の農政』。59年前の日本農政の指針である農業基本法を分かりやすく説く。農林事務次官を務めた小倉武一が執筆した。末尾では特に稲作が課題だと指摘する。構造改革を進め担い手育成への期待を込めたが、日本農業は八方ふさがりのまま▼きょう、あの広島の悲劇から75年に。大江健三郎氏は55年前に迫真の『ヒロシマ・ノート』を著す。だが、反核・平和は“赤信号”がともり、遠のくばかりである。

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