[未来人材] 30歳。“半農半パン”人集う場で地域を元気に 自前の素材を強みに 福田大樹さん 栃木県鹿沼市

「農業との出合いは宝物だ」と自慢のパンを片手に語る福田さん(栃木県鹿沼市で)

 栃木県鹿沼市の福田大樹さん(30)は、農家をしながらパン店を営む“半農半パン”を実践している。週の約半分は畑で土に触れ、木曜日から土曜日の週3日はパン店とカフェを営みながら「人とのつながりを豊かにして地域を元気にしたい」という理想の生き方の実現に向けて奮闘する。

 同市生まれの福田さん。地元で理想の生き方を実現するために志したのがパン職人だった。パンを通じて老若男女が集える空間をつくりたいと考え、修業に打ち込んだ。だが修業中に小麦アレルギーを発症。福田さんは「当時は頭が真っ白になった」という。

 アレルギー症状に悩む中、福田さんは地元で農業を始めた。「人とのつながりを豊かにする手段として、幼い頃から身近にあった農業に可能性を感じた」からだ。

 農業との出合いは再びパン作りをするきっかけになった。農業の勉強をするうちに無農薬の国産小麦で作ったパンなら、アレルギー症状が出ないことが分かった。小麦粉に触れる時間を制限し、厳選した小麦ならパンを作れるかもしれないと考え、営農しながらパンを焼くことを決心した。

 小麦は自らが無農薬栽培したものを使う。不足分は県産の「ゆめかおり」を使う。この他にも、年間30種類ほどの野菜を栽培し、カフェで提供するサンドイッチなどの具材に使っている。

 パンは1日500個ほど焼く。予約が必要な人気商品もあり、店には地域の人だけでなく、遠方から来る客もいる。毎月横浜市から来る常連客もおり、集いの場になっている。人気の秘密は農作業にある。福田さんは「農産物を作り、使う食材の背景を知ることで、食味の良さだけでなく、人が集いやすい空気を形づくっていると思う。農業との出合いは宝物だ」と笑顔で話す。

 6月上旬には栽培した野菜などを使ったおでんを提供する店もオープンさせた。パン店やカフェには女性客が多かった。野菜の味をそのまま生かすことができ、男性も気軽に足を運べるおでん屋に注目した。福田さんは「農業を通して、人が交差する場をつくり、理想の生き方をこれからも追い求めたい」と目を輝かせる。(藤川千尋)
 

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