参院選。最後の訴えを聞いていると、奈良時代の歌人山上憶良の「貧窮問答歌」を思い出した

 参院選。最後の訴えを聞いていると、奈良時代の歌人山上憶良(おくら)の「貧窮問答歌」を思い出した。憶良が現世でJA関係者ならどう詠むだろうか▼風まじりの雨の夜も、どうしようもなく寒い冬も寝食を忘れ駆けずり回っている。でも農協改革という北風が吹きやまない。「俺たちぐらいまともで、誠実に生きている人はそういまいと、むなしい意地を張ってはみるものの、この寒さには勝てず、自己改革にまい進し、成果をかき集めている」。そうため息をつくに違いない▼かつてない貿易自由化と農産物市場の開放圧力を強めるトランプ米大統領。「父母は米国との貿易協定交渉の行く末を案じて凍えているだろう」と、農家の不安に思いをはせる▼政府の規制改革推進会議が信用事業の健全な持続性に課題を投げ掛けたことはこう嘆くだろう。「報告書をかざした官邸の会議の長が戸口までやってきて、次は信用事業だと俺たちを呼び立てている。こんなにもどうしようもないものなのか、世の中を生きるということは」▼農村の困苦、世の非道。万葉集に収められた憶良の歌は異彩を放つ。社会を映し出す鏡だった。時代は変わり、今は一票に思いを託すことができる。きょう投じられる農家の一票はどこに向かうのか。確かな願いを届けよう。
 

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