豚コレラ地域限定ワクチン 13県で意向調査 農水省

 農水省は豚コレラの感染拡大に伴い、県単位での地域限定のワクチン接種の是非を検討する一環で、関係する13県を対象とした意向調査に乗り出した。県内の全ての豚に接種した上で、豚や豚肉製品の流通を域内に限定するなどの前提条件を満たすことが可能かどうかなど、生産者や県の意向を把握する。各県から出てきた意見を踏まえて、慎重に検討する方針だ。

 ワクチン接種を前提とした調査ではなく、各県の生産者や行政が流通制限などに対応できるかどうか、デメリットをどう受け止めるかなどを把握するのが狙い。

 調査対象は飼養豚の感染が確認された岐阜、愛知、三重、福井と野生イノシシの感染が確認された長野、富山の6県に加え、これらに近い7県を含めた13県。8月上旬に文書を示した。

 同省が検討する地域限定のワクチン接種は、その地域の豚は殺処分せずに出荷できるが、接種した地域は国際獣疫事務局(OIE)の「非清浄地域」となり、流通が域内に制限される。接種地域以外は、引き続き「清浄地域」として認められ、輸出を継続できる可能性がある。

 接種豚の流通範囲を制限するのは、野外のウイルスに感染した豚と、ワクチン接種豚の区別が難しく、感染した豚を発見できないまま域外に出荷してしまうことで感染が拡大する恐れがあるからだ。一方、販路が制限されることで養豚農家には負担が生じる。

 一連の前提を踏まえ、各県への意向調査では、県内の全農家がワクチン接種に応じる意向かどうかを確認する。「流通をしっかりコントロールできるかが重要な課題」(同省関係者)となるため、生体の流通やと畜を県内にとどめることができるか、流通管理のためのトレーサビリティー(生産・流通を追跡する仕組み)をどう確立するかなども調べる。

 現行の「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」は、殺処分を前提としない予防的なワクチン接種は認めていない。同省は、各県の意向を参考にしながら、指針を改正するかどうか慎重に検討する考えだ。

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