知人と杯を傾けていたら、こんな話になった

 知人と杯を傾けていたら、こんな話になった。「自由」の対義語って何だろうか。「専制」「束縛」「統制」。ネットにはさまざまな言葉が並ぶ。でも、しっくりこない▼知人が用意した答えは「桎梏(しっこく)」。『広辞苑』第七版には「足かせと手かせ。また、手足にかせをはめること」「厳しく自由を束縛するもの」とある。「桎梏から逃れられない」は、決定的な束縛、絶望的な響きが漂う▼小説家の小川未明は『人間否定か社会肯定か』で、「いかんともし難い桎梏の前に、これを不可抗の運命とさえ思わなければならなくなってしまった」と嘆いた。宮本百合子は『合図の旗』で、勤労大衆や婦人、青少年の生活が「封建的な桎梏から自由になって民主化する」ことを呼び掛けた。大正や昭和時代前期。桎梏は克服すべき壁だった▼〈悲しみのない自由な空へ 翼はためかせ 行きたい〉。1970年代のフォークソング「翼をください」は解き放たれたように自由への思いを歌い上げた▼自由経済から統制経済へ。トランプ米大統領の「米国第一主義」の取引はそう例えられる。米中貿易戦争と報復合戦、これに同調する一部の国の動き。日本にも強引な農畜産物の市場開放要求を突き付ける。農民に悲しみを押し付ける隷属の関係に今こそノーを。

 

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