豚コレラ 長野でも ワクチン是非集約へ 農相

 長野県は14日、塩尻市の県畜産試験場の豚が豚コレラに感染したと発表した。豚コレラの発生は昨年9月以降、養豚場では国内42例目。13日には新たに埼玉県の養豚場で確認されており、立て続けに新たな県での発生となった。飼養豚での発生は6県に拡大した。

 県によると12日午後、同試験場で豚が嘔吐(おうと)しているのを確認。県松本家畜保健衛生所の検査で陽性となり、農研機構動物衛生研究部門の検査で14日朝、患畜と確認した。県は同日午前8時から試験場で飼養する349頭の豚の殺処分を開始。午後3時半現在で225頭を殺処分した。

 県内では同日までに野生イノシシの感染が109頭に拡大し、リスクが高まっていた。試験場は7月21日、感染イノシシの発見地点から半径10キロ圏内の監視対象農場に県内で最初に指定されていた。同試験場は飼養管理の研究が中心で、育種はしていない。半径10キロ圏内の搬出制限区域内には1農場がある。研究機関としては岐阜、愛知県に次いで3例目となる。

 県内の養豚農家は失望を隠せない。飯田市で豚20頭を飼養する今村篤さん(48)は「遅かれ早かれ県内でも発生すると思っていたが、まさか衛生レベルが高い試験場で発生するとはショックだ。感染終息の道筋が見えないのはつらい」と肩を落とす。

 長野県の阿部守一知事は「できる限りの対策を講じてきた。ざんきに堪えない」とした上で「全国を対象に(飼養豚へ)ワクチン接種をしていかないといけない状況という認識だ。国で速やかに方針を決めるように働き掛けたい」と強調した。

 相次ぐ新たな県での発生に対し、江藤拓農相は14日、視察先の茨城県行方市で、飼養豚へのワクチン接種について「あらゆる選択肢を否定しない」と説明。接種の是非や判断時期については明言しなかったが、「業界団体や各県の担当者も参集して、来週の早い段階で意見集約をしたい」と述べた。
 

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