[スマート解決 地域の課題](2) 小菊産地化→耐候性赤色LED 秋田県男鹿市・園芸メガ共同利用組合

半自動乗用移植機の調整作業をする吉田さん(右)(秋田県男鹿市で)

 秋田県男鹿市で露地小菊を生産する園芸メガ共同利用組合は、組合員の平均年齢が34歳と若く、8割を新規就農者が占める。代表を務める吉田洋平さん(29)は「スマート農業は、新規就農者の技術不足を補ってくれる。規模拡大も狙える」と言い切る。産地づくりのスタート段階で、どの産地でも直面する安定生産などの壁にスマート農業で挑んでいる。
 

経験要らず 安定生産


 県は米生産偏重からの脱却、園芸の大規模農家の育成などを目的に園芸メガ団地の整備を進めている。事業は2014年に始まり、現在は20カ所に増えた。

 園芸メガ共同利用組合もこうした産地の一つで、14年に栽培が始まった。

 現在の組合員は9人で、総作付面積は6・6ヘクタールに達する。特徴は組合員のうち7人が新規就農者であること。若さは市場・実需者へのアピールポイントで、新品種や最新技術の導入にも積極的だ。半面、経験の少なさが課題。品質の不安定さが悩みだった。気象条件にも影響されやすく、需要期に合わせた出荷が難しかった。品種を増やしたり、技術共有を進めたりしてきたが実を結ばず、スマート農業で克服しようとしている。

 取り入れる技術は、雨や風に強い耐候性赤色発光ダイオード(LED)電球や電照管理モニターシステムだ。電球は開花調整に役立てる。吉田さんは「露地でも安定的に出荷できるようになった。品種を絞れて管理がしやすくなってきた」と効果を実感する。

 来年度に取り入れるモニターシステムは、確実に電照処理する仕組みだ。電照が正常に作動しているかをスマートフォンなどで確認でき、消灯などのトラブルがあれば農家に通知する。組合は、需要期の出荷率9割を目標に掲げる。

 農家の技術不足は、新興産地が共通して抱える課題だ。スマート農業の活用で技術の底上げや平準化が期待できる。県秋田地域振興局は「今の組合員の経営が安定すれば、新たな担い手の獲得も目指せる」と将来を展望する。

 また、組合は半自動乗用移植機や菊収穫機、切り花調製ロボットの実証も進めている。特に半自動乗用移植機の省力化の効果は大きく、これまで10アール当たり48時間の移植時間が従来より8割削減できたという。

 ただ、吉田さんは「スマート農業の導入で出荷増が見込まれるが、それに対応する人材確保など新たな課題が生じる」とみており、スマート農業に対応した新たな経営像を模索している。
 

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