[未来人材] 39歳。かんきつのソムリエ制度立ち上げ 歴史、外観にも注目 二宮新治さん 愛媛県宇和島市

自宅の作業場でかんきつの魅力を語る二宮さん(愛媛県宇和島市で)

 愛媛県宇和島市のかんきつ農家・二宮新治さん(39)は、“かんきつの文化の目利き”を育てるソムリエ制度を立ち上げた。果皮にある粒(油胞)のきめ細かさや、果実の曲線美、香りなど、独自の視点で食味に限らない魅力の発信に力を尽くす。自ら運営主体となるNPO法人の理事長を務め、1月下旬にも松山市で同制度のお披露目会を開く予定だ。

 「『せとか』には色っぽさを感じる」。二宮さんが、果実を擬人化しながら品種それぞれの特徴を説明する様子は、かんきつ愛にあふれている。「せとかは、軸(へたの部分)に近づくにつれて、油胞の配列が果頂部に吸い込まれていくよう。どの果実と比べても美しく、口に入れた瞬間の香りも良い」

 ミカンや「紅まどんな」など2・5ヘクタールでかんきつを栽培する生産者。普段、農家は高く売れるといった経済性を重視するし、消費者はおいしさに注目しがちだ。だが、かんきつの魅力はこれだけにとどまらない。

 制度では、かんきつの見た目や歴史、品種の特徴など、あまり注目が集まってこなかったことへの学びを深める内容にする。二宮さんは「かんきつの面白さを分かってもらえる仲間を、もっと増やしたい」と話す。

 二宮さんの人柄に引かれ、さまざまな人が集まってくる。兵庫県西宮市の高橋利弥さん(20)は12月下旬まで二宮さん宅で、収穫や選別作業を手伝っている。

 「選別作業場がおしゃれだし、何より宇和島の農家の人柄に引かれる」と、これまでに4回訪れた。他にも二宮さんは、大学サークルなど多くの人と交流する。ソムリエのイメージと重なる人との出会いもあったという。

 制度の設立を披露した後の3月から、「ソムリエ」のライセンス講座をスタートする予定だ。二宮さんは「(宇和島を援農で訪れる人など)関係人口は徐々に増えているが、地域振興にはまだまだ足りない」と考える。
 

おすすめ記事

若者力の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは