[未来人材] 38歳。市場の仲卸から農家転身 野菜作り 魅力に心酔 笠井良泰さん 埼玉県久喜市

順調に育つ小松菜に笑顔を見せる笠井さん(埼玉県久喜市で)

 埼玉県久喜市の笠井良泰さん(38)は青果市場の仲卸から、4月にミニトマトや小松菜やホウレンソウ、キャベツやブロッコリーなどの野菜を多品目栽培する農家に転じた。2、3年後をめどに品目、生産面積をさらに広げる考えだ。JA南彩青年部でも積極的に活動するなど、若手のホープとして地域の期待を集める存在でもある。

 農家ではない家庭で生まれ育った笠井さんが就農した理由は二つ。一つは仲卸として市場で勤務した際に、出荷される野菜の素晴らしさに魅せられ、「自分でもこんな野菜を作りたいと思った」こと。もう一つは妻の恵美子さん(38)が就農を望んでいたことだ。

 妻の祖父は専業農家、妻の父は米を作り、母も家庭菜園で野菜を作っていたが、未耕作の畑があり、雑草が伸びるとトラクターで耕うんする様子を見て、「畑を荒らせない、農業を衰退させてはいけない」と就農への思いを強くした。

 笠井さんは昨年4月に農業大学校に入学。ハウスでトウモロコシを栽培し、種まきから管理、収穫調製を学んだ。農業簿記や総合的病害虫管理(IPM)、食品加工も学習。在学した1年間で、危険物取扱者、フォークリフト免許、農耕者限定の大型特殊自動車免許などの資格も取得している。

 栽培面積5アールのパイプハウスを建て、抑制栽培のミニトマトを1000本作る。抑制は周りの農家が手掛けておらず、先輩農家から「有利になる」とアドバイスを受けて始めた。他に50アールの畑では、農業大学校で学んだ施肥を基に土づくりをした上で、小松菜やホウレンソウを栽培。「思いの外、いいものができた」と振り返る。

 今後は地元の学校給食や飲食店への野菜の出荷を模索し、ナスやニンジン、カボチャ「ほっとけ栗たん」の栽培や遊休農地を借りて規模拡大も視野に入れる。

 JA青年部での活動ではイベントに参加し、盟友の信頼も厚い。笠井さんは「分からないことも盟友が教えてくれ、本当に助かる」と感謝する。2歳と4カ月の2人の子どもがいるため、今後は「幼稚園や小学校の子どもたちを田畑に招いて、収穫体験をやりたい」と夢を描く。(中村元則)

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