日本酒 輸出を後押し 20年度予算拡充 専門部署が販路開拓

 政府は2020年度、日本酒や日本ワインなど日本産酒類の輸出支援を強化する。関係予算を大幅に拡充し、現地の流通業者などを活用して、海外のレストランや小売りなどへの販路拡大を支援する。国税庁に新たに「輸出促進室」を設け、専任職員が相手国の規制撤廃に向けた交渉を担うなど輸出しやすい環境を整える。

 日本酒の輸出額は19年1~11月の累計が211億円で、通年では過去最高を更新する見通しだ。しかし世界の酒市場で見ると、日本産酒類のシェアはわずかで知名度は低い。そこで国も販路開拓を積極的に支援し、輸出拡大を後押しする。

 政府は「日本産酒類の競争力強化・海外展開推進事業」として、20年度当初と19年度補正の予算案で計18億円を計上。19年度当初2億5000万円と比べて大幅に拡充した。

 新たな事業として海外にコーディネーターを置き、現地の飲食店、ホテルや小売りなどで日本酒や日本ワインの売り先の開拓を支援する。飲食店やスーパーに販路を持つなど、現地での流通に精通した人材を想定する。

 酒蔵と国内の輸出商社や卸とのマッチング支援も新たに行う。「酒蔵は中小企業が多く、自力で販路開拓するのは難しい」(同庁酒税課)ため、商社などと結び付けて輸出に取り組みやすくする。各国での商談会や、海外バイヤーの日本への招待も引き続き行う。東京五輪・パラリンピック大会に合わせたPRも展開し、広く発信する。

 輸出促進室は7月に設置する予定で、職員18人が専任で担当する。各国の容器や容量の規制撤廃に向けた交渉やブランド保護に向けた交渉を担う。

 政府は国内の日本酒製造業者への規制も緩和する。現在は、6万リットル以上生産しないと日本酒製造の免許を取得できず、新規参入を事実上制限している。国内消費が減少している日本酒の需給調整のためだが輸出用には適用しない。21年度の免許申請分から対象にする。


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