第4次食育計画 若者への推進 職場が鍵

 政府の食育数値目標の実績をどう高めるか。重要なのは若い世代への食育推進だ。従来の家庭や学校に加え、従業員の健康管理に向けて、JAを含め職場での推進が鍵となる。正しい知識と事例の普及に取り組もう。

 現在の第3次食育推進基本計画は、21の数値目標を掲げている。だが、朝食を取らない若い世代の割合や学校給食での地場産物の使用割合など数値が悪化している項目もある。

 政府は2020年度、農相を会長に文部科学省や厚生労働省などの関係閣僚と有識者らからなる食育推進会議で、21年度から5年間の第4次基本計画を決める。課題は、若い世代が健全な食生活を送れるようにするための取り組みだ。

 農水省は20、30代の食習慣を調査し、結果を1月公表した。米やパンなどの主食と、肉や魚などの主菜、野菜やきのこなどの副菜を組み合わせた「栄養バランスに配慮した食生活」について、ほぼ半数が「言葉も意味も知っている」と回答した。

 しかし、「ミートソーススパゲティとコールスローサラダ」と「ロコモコ丼」について栄養バランスに配慮した食事だと思うか聞いたところ、それぞれ8割と7割が「そうではない」と誤答。多くが食への誤った認識を持っており、正しい食の知識を若い世代に普及することの重要性が浮き彫りとなった。

 若い世代では、学校を卒業した後の社会人への食育推進が不十分といえる。職場での実践事例などの基本情報が不足している。JA全中によると、JAグループでも職員らを対象とした食育はあまり進んでいない。

 農水省は、従業員の健康に配慮した企業の食育推進事例も公表。埼玉県のメーカーは、新人研修でバランスの良い食事の選び方を教えたり、大学の協力を得て健康について会議で講義したりするなど、業務のいろんな場面で健康的な食生活に関する知識を普及している。神奈川県の建築設計業者は近隣に飲食施設が少ないため一般開放のレストランを設置し、地産地消を心掛けた朝食と昼食を提供している。こうした職場での食育推進の事例集の作成が欠かせない。

 職場での食育推進には、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)と関連付けて、若者の関心を高めることが有効だろう。食育は「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「つくる責任つかう責任」の実践につながる。

 第4次基本計画の論点の一つに農水省も、企業での食育の推進を挙げ、従業員らの健康管理と健康に配慮した食生活の実践を目指す。学校給食での地場産活用では、給食現場と生産現場のニーズを把握し対応策を提案するコーディネーターの養成を進めている。職場の食育でも、食材や農産物情報の提供などで企業と生産現場をつなぐ役割が必要だ。効果的な推進と地域農業のファンづくりにも役立つ。JAの活躍に期待したい。
 

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