不正流出防止 和牛遺伝資源守る 流通管理を一元化 鳥取県20年度

 鳥取県は、和牛の受精卵や精液など遺伝資源や、子牛の出生から出荷の情報を一元管理するシステムの整備に乗り出す。これまで複数団体が個別にデータや紙媒体で情報を取り扱っていたが、インターネット上の共有クラウドで情報を管理する。全国から人気の県基幹種雄牛を抱える同県は、遺伝資源の流通管理の強化で県外への不正流出を防ぎ、地域ブランドを守る方針だ。

 県は「鳥取和牛遺伝情報管理・活用システム導入事業」を立ち上げ、①凍結精液と受精卵の管理②子牛情報の一元化──で実施する。単年度事業として20年度当初予算で3156万円を盛り込んだ。

 凍結精液と受精卵の管理は、国の事業から2分の1の補助を得て、県家畜改良協会が事業主体となりシステムを整備する。畜産試験場や人工授精所が別々に管理する精液譲渡や授精証明書などをネット上のクラウドで情報共有し、「証明書記載事項などの正確度を高める」(県畜産課)。精液証明書はバーコードを付け、種雄牛や所有者など情報を管理する。

 子牛情報は、県畜産推進機構がシステムを整備。「紙媒体で情報を保管する団体もある」(同)ためクラウド上でデータ管理を徹底する。JAやJA全農とっとりなどが所有する子牛の出生・登録、せり出荷などの情報をまとめる。全国和牛登録協会など外部との連携にもデータを役立て、「システム管理で省力化にもつながる」とみる。

 県基幹種雄牛の精液を県外から持ち込まれた雌牛に人工授精し、県外で子牛を生産した問題も起きた。県は、遺伝資源の不正流出防止策を強化して、2月から、「白鵬85の3」など県の優良種雄牛の精液や受精卵の利用を制限する「使用許諾契約」を生産者と結んでいる。4月から配布する精液などに契約内容が適用される予定だ。
 

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