[未来人材] 35歳。震災機にせり人から転身若手農家・企業と連携 揺るがぬ産地再構築 仙台市 相原美穂さん

植えつけたばかりのブロッコリーの苗に触れる相原さん(仙台市で)

 仙台市でレタスやブロッコリー、ネギなどの露地野菜を栽培する相原美穂さん(35)は、若手農家のネットワークの構築に力を入れる。相原さんは「地域産業を変えたいと思っている。地域との連携を深めていきたい」と未来を展望する。

 相原さんは農家の亀元(はじめ)さん(63)の長女として生まれたが、子どもの頃は「農作業が嫌いだった」(相原さん)。相原さんは当時脚光を浴び始めた食育に興味を持ち、北海道の大学に進学。そこでの学びや、父が当時していた軒下販売、地元小学校を対象にした農業体験を通じ、食に関わる仕事に就くことを希望した。仙台中央青果卸売(株)に入社し、せり人として県外のイチゴを担当していた。

 しかし、東日本大震災の発生で宮城県産イチゴの出荷停止や産地復興の過程を見ていく中で、せり人としてでは「産地を変えるのは難しいと感じた」(同)。

 「生産者になって農業の仕組みを変えていきたい」と、卸売会社を退職後に日本農業経営大学校に入学して農業経営を学び、5年前に就農した。

 相原さんは卒業後、父とは別経営で畑を借り、露地野菜を約1・2ヘクタール栽培。収穫したものは「今朝取り出荷」し、車から10分圏内にある四つの販売店に収穫したその日のうちに並べている。特にトウモロコシが人気だ。

 相原さん自身の売り先が確保されてきたことから、周辺の若手農家にも売り先を紹介している。相原さんの畑がある新浜地区で営農する若手生産者が、仙台市の有名青果店で「今朝取り野菜」を出荷できるよう協力した。

 相原さんは市内の野菜や若手生産者のPRだけでなく、若手生産者に消費者のニーズを学んでもらえる機会と考える。

 また、相原さんは父の田んぼの一部を借りて「ササニシキ」を栽培。県内の酒蔵に委託し、日本酒も造る。こうした活動を今後も続け、地域産業との関わりを強めたい考えだ。

 「農家だけでなく、仙台や県内のさまざまな企業と組んで商品を作りたい。商品が売れたら自分が作った農産物も売れ、新しい農機具の導入もできる」と話す。
 

農のひととき


 畑や田んぼから見る自然の姿にほっとする。例えば、田んぼに張られた水に反射する夕日や、季節ごとに変わる雲の形など自然現象に安心感を感じる。また、農作業を通じて作業の進行具合が分かることも農業の魅力だ。
 

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