[新型コロナ][届け!エール](11) 土井善晴さん 励まし合い「命」守ろう

土井善晴さん

 家にこもって手料理に励む人が多いようです。日頃は感じなかったのですが、生活とは食事を中心に動いているんだなあと思います。大変な日々を過ごす人もいらっしゃる中、楽しんでいられない雰囲気もありますが、夕方散歩すると、懐かしい夕餉(ゆうげ)を支度する匂い、道路で遊ぶ子ども、家族の笑顔に出合います。食事のある所に家族はあるんですね。

 「身土不二」という言葉があります。「土地に育ったものを食べて身になる」という意味で使われますが、本来は「地球と人間は一つ、分けられるものではない」ということ。「地球は自分、自分は地球」です。地球のことを忘れ、人間だけが健康になろうなんて厚かましい。地球と人間の間に「農業」があって「料理」がある。私たちはこれから生まれる子どものために、その関係の健全をつなげなければなりません。

 困難に行き当たり、一人一人の人間が自立すること、日本が自立する大切さが分かりました。海外で売れる高い果物などを作ろうと奨励されてきたけど、ダイコンとか毎日食べる野菜を作る生産者を支えてほしい。生産者と生活者が互いに思いやり、励まし、初めて命を守れるのです。(料理研究家・十文字学園大学教授)
 

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