コロナで休業の社員 100人超農業現場へ 農協観光

生産者と出荷した野菜を並べる長塚さん(右)(さいたま市で)

 農協観光は、新型コロナウイルスの感染拡大による営業の縮小を受け、社員に農家やJAなどで働いてもらう取り組みを6月から始めた。社員を人手不足の農業現場などにマッチングさせる。各地のJAグループの協力を得て全体で100人以上が18県で働く。6、7月の約2カ月間、続ける予定だ。

 緊急事態宣言が全国で続いた影響で、旅行・観光の需要が減少。需要の回復が見通せず、今も部分的に休業する社員がいる。そこで農協観光は希望者に、副業としてJAや農業現場などで臨時的に働くことを推奨。各県にある支店などが中央会や連合会、JAなどに相談し、受け入れ先を決めている。

 社員は2カ月間のうちで、作業内容などに応じた時間や日数を働くことになる。現時点ではJAや農家など35カ所で、栽培管理や収穫作業、JA選果場、直売所、事務などで働く予定だ。取り組みは、秋の旅行の準備が始まる前の7月まで続ける計画だ。問い合わせや調整中のものもあり、人数は今後も増える見込み。

 農協観光の担当者は「ピンチではあるが、顧客である農家・組合員を深く知るチャンスととらえ、次の旅行企画につなげたい。お世話になっているJAや農家に労働力の支援ができれば」と話している。
 

直売所などで活躍 JAさいたま


 JAさいたまは、自宅待機を余儀なくされた農協観光の社員6人を臨時で雇用し、2日からJA直売所などでの勤務が始まった。県中央会を通して依頼があり、事業支援として取り組む。今後さらに受け入れを行う方向で調整している。

 JAは組合員との絆づくりのために、農協観光と協力し観光事業を積極的に行ってきた。この支援によって連携をさらに深め、観光需要が戻った際に大きな効果が生まれることも期待する。

 受け入れ社員が主に働く直売所は、生産者とじかに接することのできる事業所として選定した。JA直売所では、新型コロナウイルスの影響で来店者が増加し、業務量が増えて課題となっていた。

 今回の観光事業と直売所事業間での労働力のマッチングで、直売所の職員の負担軽減と来店者へのサービス向上など、業務上の直接的な効果も見込めるという。

 さいたま市にある、大宮ぐるめ米ランドで勤務する農協観光埼玉支店の長塚啓さん(41)は「JAグループの一員であることを、とても心強く感じた。このような機会を与えてくれたJAさいたまの方々に感謝し、貴重な経験の場として、精いっぱい勤務したい」と話した。

 JAの山崎昇一組合長は「農協観光には組合員にたくさんの笑顔と思い出を提供してもらった。今回はこちら側が協力しみんなで笑顔になれたらと思う。JAグループの底力を発揮し、共に乗り越えたい」と述べた。
 

おすすめ記事

新型コロナの新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは